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2024.08.02

アゲハチョウの休眠条件について

村瀬 清美

もし分かれば、教えていただきたいことがあります。
当方、6月に飼育していたナミアゲハの幼虫6匹のうち、1匹だけ羽化せずに休眠状態になったようです。
6匹は同条件で飼育していました。
蛹化する際、休眠状態になった個体は、段ボールの隅へ入り、真っ暗な状態で6月下旬に蛹になりました。他の5匹は、日照のあるところで蛹になり、羽化しました。
休眠した個体は、7月の現在も蛹のままです。色はオレンジで固く、動きません。これは、あとどのくらいで羽化できるのでしょうか。寒さがないと羽化しないとも聞いていますがどうでしょうか。春なのに休眠蛹になってしまうのは、蛹化した場所の暗さに関係があるのでしょうか。
もし教えていただけたらありがたいです。

2024.08.02

1. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)

アゲハチョウの仲間に関しては、休眠するかどうかを決めるのは若い幼虫が経験した暗い時間の長さです。初齢〜3齢の影響が強いとされています。
体内時計の働きや発育状態に個体差がありますので、同じ条件で飼育しても、休眠するかどうかに違いが出る場合もあります。

休眠した蛹は、寒さを経験しないと成虫の発育が起こりません。日光が当たらない屋外においておけば、来年の春には羽化する可能性があります。強制的に休眠を消去する場合、冷蔵庫など4℃以下の場所に30〜120日置いておく必要があります。必要になる低温の期間は、生息している地域で変動します。通常、北に行くほど短く、南に行くほど長くなります。

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