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2023.01.12

研究者とともに「高校生物の問題を作る」会

ノウサギ

名古屋で橋本先生に助言していただきながら,高校生物の問題を作る機会をいただきました.ありがとうございました.
 時代ごとに実験技術の進歩があり,一旦証明されたこと・従来信じられてきたことが,現代の研究によって改めて検証され,修正されたり覆ったり解釈し直されたりすることを最近いろいろな事例で感じています.本川達雄先生の歌「科学とは仮学」を思い出しました.
 自分たちで問題解決をすることが求められている現代の教育方針において,教員も生徒たちも認識しておくべきことだと思いました.それには研究者の方々がどのような姿勢で問題解決に取り組んでいるのかを実感することがとても大切だと思います.研究者の方と直接関わることのできるこのような機会がとても大切だと思います.
 模試や入試でも,教科書に書いてあることを覆すようなことを考えさせる問題がよく作られるようになると予想されるので,そのような問題に対応する場面においても,心構えができ,先入観にとらわれずに解けるようになると思います.

2023.01.12

1. 橋本主税(形態形成研究室)

ご感想ありがとうございました。「橋本が助言」などとお書きいただいておりますが、助言などしたつもりはなく、先生方のご意見に感動しながらその場に居させていただきました。おそらくは先生方がふだん出会っている思考の物差しとはまったく異なる視点からの橋本の言葉がたまたま「助言」に聞こえただけではないでしょうか。たとえば、「科学的」と言われたら、何か「絶対的」のような印象を受けますが、その時に信じられている仮説(モデル)も、事実同士を論理的に結びつけるその時点での最も確からしい説明であって、決して「真理」と言い切れるものではありません。その意味では、科学は自ずと「漸近的な真理」を求め続けることとなりますし、永遠に真理には到達できないとも言えます。研究者はしょっちゅう騙されますので、すべてを疑ってかかるわけではありませんが、すべてを無批判に信じているわけでもありません。現在の仮説では説明できない現象に出会ったら、それをも同時に説明できる新しい仮説を考えなければなりません。そういう捻くれた視点が、たまたま先生方には目新しく映ったのでしょう。先生方の素直な視点は橋本には新鮮に感じられました。今回は「宿題」として各自で問題を完成させることになっています。それらが集まった時に、また議論の場を設けられたら面白いですね。

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