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2022.12.06

里山・里海暮らしを 明日へ活かす

参照記事「研究館より」

こうちゃん

今春、大阪・民族学博物館で焼き畑をテーマに
展示・映画・民俗学者によるディスカッションがあり
終わりに、とても短い時間ながら質疑を求められましたので
 長年日本の暮らしを研究されてきて
デジタル化が進み さらに便利になってゆく現在の生活環境で
これからの生活力を高めるために大切なことを
一つだけ聞かせて下さいとお願いしました。
 野本寛一先生は“協調性”です。と指摘され
川野和昭先生は、映画の1才になった娘さんの誕生日に
村人10数人が祝っているシーンをあげておられました。

生物の人って、多様な人々が群れて助け合って生きてゆく。
家族って、祖父母は子供が産めなくなっても生き続け
(自然界では珍しい) 、稼ぎの柱を子供達に引き継いだ後は
子供達を助け 幼児期の孫を手塩にかけて育てる・・・等々
 人間の遺伝設計情報は何万年も前から変わっていないと
聞いたことがあります。

戦後、もうすぐ100年。
工業化➡都市化➡核家族化➡個人主義化➡無縁社会化など
急激な経済成長を支え続けてきた生活者の環境や価値観も
人工的に激変し、生物・遺伝情報とは随分かけ離れて
それも原因の一つと思われる社会問題も多発しています。

一人でも自分の欲しい商品を買えば生きて行けるからか
皆で助け合って生きる力や 手づくりで創意工夫・課題解決
する力などの生活スキルはこれからどうなってゆくのか。

この点、失われつつある大切な生活力を育てるヒントを
里山・里海暮らしに求め、人工的に整備された都会暮らしと
重ねて“これからの心身健康な暮らし”をデッサンするのも
生物としての人間にとって ごく自然な解決の糸口ではないか
と想っています。

2022.12.06

1. 中村桂子(名誉館長)

こうちゃんさま
 協調性。おっしゃる通りですね。こうちゃんさんのお書きになっていることもその通りと思います。生命誌では「私たちの中の私」であることの大切さ、それも「私たち生きものの中の私」から始まることの大切さを考えています。「みんな」でなく「私たち」であることに意味があり、一人一人の私が、実は私たちの中にあるという意識です。
「みんながやってるんだから」というみんなでなく。
                          中村桂子

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