研究
2022.10.20
イモリについて
シューズ
生命誌さんのサイトをよく拝見させてもらってます。
私は左前脚の指全てが欠損しているマダライモリを飼育しています。切断法以外で再生を促すことが出来るのか知りたいと思い、投稿させてもらいます。
①指のみ欠損が起こり、その後再生されない原因として、指のそれぞれが損傷した、あるいは腕が損傷して、再生したものの途中で止まってしまった結果、指先がなくなったと考えているのですがそういった可能性はありますか?
②欠損部分に切断以外の方法で刺激を与えると再生することはありますか?また、どのような刺激だと再生する可能性が高いですか?(針等による傷口をつくり、炎症を起こさせる、感染症の場合はこんな薬浴がいい等)この方法はよくない、またはこんな方法もあるなどご教授いただきたいです。
③マダライモリのCB個体は欠損で生まれてくることが多いと聞きますが、その原因としてなにが挙げられますか?
④再生芽すらできずに止まってしまう原因として何が挙げられますか?
ご回答できるものがあればお願いしたいです…!宜しくお願いします。
2022.10.21
1. 齊藤わか(表現を通して生きものを考えるセクター)
書き込みいただきありがとうございます。当館の近藤寿人顧問より、下記のメッセージをお伝えしますのでご覧ください。
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ご質問、ありがとうございます。
傷をつけたり刺激をあたえたりすると再生が起きるわけではありません。
当館で行ったレクチャーの記録動画「再生力のチャンピオン、イモリとプラナリアのワザ比べ」
の45分から49分50秒にかけての時間帯で触れていることですが、明確に述べていないところもあるので、改めて説明いたします。
イモリやプラナリアでは、切断などによって、日頃は決して接触することのない、体の離れた部分の皮膚(皮下組織)が直接接触ことによって、まず再生芽ができる条件が整います。(動画では、再生芽ができた後の話をしていますが、その前にこの条件が満たされないと再生芽ができない)。
「その条件を満たすためには、手や脚がスパッときれていなければならないーー押しつぶすように切ると、普通に傷を負った時にも起るような、近隣の皮膚組織も接触するので、普通の傷と体が認識して、再生特有の反応をおこすことはない」――私はこのように理解しています。
このような観点から、観察されている現象を再検討されてはいかがでしょうか?
顧問 近藤寿人
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以上です。どうぞよろしくお願いいたします。