その他
2021.08.03
アゲハ蝶が沈丁花に産卵しました。
雑草園園長
初めまして。
1時間ほど前に、アゲハ蝶が沈丁花の新芽に産卵していきました。0.5ミリくらいの卵3個です。初めて見ました。
挿し木をして3年ほどの若木でこの春1輪(塊)だけ花をつけておりました。この1-2週間の間に伸びてきた新芽(若葉)にです。
家の敷地にはなつみかんの成木(高さ3mほど)が生えており、今は5cmくらいの実が15-25個くらいなっています。
そちらには生んでいったかは確認できませんでした。
親の蝶はキアゲハに見えましたが比較的小型でした。
住宅地ですが、柑橘類を植えているお宅が結構あります。なつみかん、キンカン、レモン、などをよく庭先に見かけます。
でも、沈丁花に???
2021.08.10
1. 雑草園園長
どなたにお知らせしたらよいか、、、
先日第1報をお届けした雑草園園長です。
そちらのシステムからアクノレッジの返信を頂きました。
折り返し卵の写真を送りましたが、どなたかご覧になりましたか。
今朝、沈丁花を見ると、卵がなくなっていました。ところがよく見ると、黒い毛虫を発見。3個の卵のうち、1個は落下、2個は昨日までありましたが、今朝は両方とも消失。葉の上に黒いごみを見つけたので、よく見るとアゲハの幼虫でした。1匹のみ。
アゲハの幼虫は小学生のころ(60年以上前)昔の家の庭の夏みかんの木でよく見ていましたので、たった2-3ミリですがすぐわかりました。(卵のときより体重が増えたようにみえます。)
卵が産まれていた沈丁花の葉はすでに5㎝くらいに伸びていますが、葉のヘリをみると、1㎜くらい削り取られたあとがあり、もしかしてこの幼虫がたべたのかも、と思います。
ただ、このままでは育たないとおもい、現在の庭の夏みかんから新芽の葉を数葉切って箱に入れ、そこに沈丁花の葉に乗っている幼虫をそのまま置いてみました。
現在は沈丁花の葉の上で動いていません。先ほど箱に移すときに数㎜動きました。これからどういう行動をするのか大変楽しみです。
以上です。8/6/21
2021.08.10
2. 星野敬子(表現を通して生きものを考えるセクター)
「今まさに!」のお便りをいただきありがとうございます。
アゲハチョウがジンチョウゲに産卵したとのこと、大変興味深いです。
当館の昆虫食性進化研究室が作成しているチョウと食草の関係が検索できるデータベースにも、ジンチョウゲは食草と記載がありませんでした。
https://ja.insect-plant.org/insectindb/ediblePlant/
母チョウが前あしで感知したジンチョウゲの植物化合物が、食草の植物化合物と似ていたのだろうか? 卵からかえった幼虫もジンチョウゲの葉を食べられるのだろうか? と「?」がふくらみます。その後、幼虫はどうでしょうか? ぜひ続報お聞かせくださいませ。
なお、お送りした自動返信メールは送信専用ですので、ご送付いただいた写真は当館で受け取れておらず、申し訳ありません。
2021.08.12
3. 雑草園園長
星野先生
雑草園園長です。
コメントありがとうございます。残念ながら翌7日の朝には夏みかんの葉に移動することもなく、亡くなって居りました。なつみかんの葉を入れたあと夕方まではわずかですが見るたびに沈丁花の葉の上を移動していましたが、翌朝、沈丁花の葉の端っこで乾いたようにじっとしていました。
母親が産卵するとこから目撃しています。そんまま沈丁花の植木鉢ごと見守ったほうがよかったかもしれないと思うと残念ですし、かわいそうなことをしました。
生命の不思議は妙に心を打ちます。蝶も人もおんなじかな、と孫の水遊びを大切に見入っています。 本件打ち切ります。
2021.08.12
4. 星野敬子(表現を通して生きものを考えるセクター)
続報ありがとうございます。幼虫は育たなかったのですね。お気を落とされませんように…。
捕食や病気、何らかの間違いなどで、チョウの卵が成虫になれる確率は数パーセントと聞きます。私たちがふだん目にする、空を舞うチョウは、険しい道を生き抜いた個体なんだと感じ入ります。
雑草園園長さまのご投稿について、「昆虫食性進化研究室」の尾崎さんに話しましたら、「時々食草とは関係のない植物に産んでしまうチョウが現れてはいるものの、ほとんどは子孫を残せずに消えてしまっているのではないでしょうか。その中で、数万年に一度とか極々稀に新しい植物に対応できるチョウがいて、種分化につながっているのかもしれません。」とおっしゃっていました。
雑草園園長さまは、進化につながるかもしれない瞬間に、立ち会われたのかもしれませんね。また、チョウと食草のことで、なにか思われることがありましたら、気軽にご投稿ください。8/17には、食草園の特設WEBサイトがオープンしますので、ぜひご覧になってください。