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みんなの広場

研究

2021.06.16

植物研究者と昆虫研究者

参照記事「研究館より」

在野昆虫研究員

ニックネームを変えての、久々の投稿です。
書かれているような高尚な話ではない点ご容赦ください。
私は、在野で昆虫研究をもう40年くらい続けています。
この数年、縁あって植物研究者の方々と共同研究する機会を得て驚いたことを書きます。
・菌類などを除く、普段目にする植物は市販の図鑑でほぼ全て同定できます。昆虫図鑑は掲載されていない種の方が多く、正確な同定は不可能です。特に種数の多いコウチュウ類は。
・大学や博物館の植物研究者の方でも、名称は全て和名です。昆虫は研究者でなくても学名をしばしば使います。例えばホソコバネカミキリ属はマニアでもNecydalis属と呼ばれる人気のカミキリです。
・虫屋は森を切ってはいけないと頑なに考えていますが、植物屋さんはそうは思われてません。原生林以外はむしろ切った方が良いと言われます。一旦原始の森が切られて里山あるいは草原になってしまえば、切った方が植物多様性が豊かになります(ただ、虫屋が好む種が増えるわけではありません)。ただ和名は語源を知らないとなかなか覚えられません。植物の和名は難しいです。
・フィールドに出たら必ず図鑑を携え、夜の宴会の後同定会がからなずありよほどでない限り全て同定を終えます。虫屋は蒸話で騒いで寝ておしまいです。全ての採集品の正確な同定が現場ではできないからです。
同じ生物学でも随分違うとカルチャーショックを受けている今日この頃です。

2021.06.16

1. 中村桂子(名誉館長)

昆虫研究者と植物研究者の出会いで見えてきた特徴、とても面白いですね。
森を切るか切らないか。これからまた里山を意識しなければならない社会を考えると、大事なことですね。
騒いで寝てしまう昆虫屋さんの様子、想像できて笑ってしまいました。楽しそう。

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