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2020.02.19

ダーウインのうっかりミス?

n.yamashina

以下のことが本当ならとんでもない大事件ですから、どなたか私の勘違いを正して頂けると幸いです。
 ”本能”について、ダーウィンは自然選択によって漸進的に”進化”すると主張し、『種の起源』第7章「本能」で、ミツバチの造巣本能を次のように説明しています。
 まず「出発点」にはマルハナバチの「いびつな円形の巣房」を造る「単純な本能」があり、中間段階としてハリナシミツバチの円柱状または球状の巣房がある。そして、「終着点」としてミツバチの「完成度の高い」複雑で高度な六角柱の巣房がある、と。
 「球」状の巣房から「六角柱」の巣房への”進化”プロセスの説明に次の一節があります。
《 大きさの等しいたくさんの球を、中心が二つの平行する平面上にあるように描いてみよう。それぞれの球の中心と、同じ平面上に中心があって隣接する六個の球の中心との距離は、いずれも半径×√2すなわち半径×1.41421とする。以下略》
 ここが私のボンクラ頭には理解できないので、自己流でダーウイン説”ボンクラバージョン”を考えてみました。球ではなく円柱を「出発点」とするのです。
 半径rの円柱をたくさん中心間の距離√3rで造れば、半径の2倍(接する)より中心間の距離の方が短い(2r≻√3r)ので、各円柱は重なり合って「接地面」ができ、その面を壁とすれば正六角柱のハニカム構造が出来上がる筈です。中学レベルの数学でスッキリ理解できます。
 ここで気付いたのは、「球」でも同じではないかということで、もしそうならダーウインが√2としたのは√3の間違いではないかと思ったのです。√2で重なり合うと「接地面」が大き過ぎて、六角形にならないのでは、と。
 やはり、どこか違ってますよね。
 
〈参考文献〉
奥本大三郎『完訳 ファーブル昆虫記』集英社
渡辺政隆『種の起源』光文社

2020.02.19

1. n.yamashina

ごめんなさい。やっぱり私の方の「うっかりミス」でした。
作図をサボったのが間違いで、ちゃんと作図すれば√2でも正六角形ができるとわかりました。但し、√3より複雑で六角形の一辺も√3より短くなって、効率的(?)とは思えません。
ダーウィンは、なぜ√3ではなくて√2と考えたのかが私の新たな疑問です。

2020.02.19

2. 中村桂子(館長)

今回はダーウィンのうっかりミスではなさそうだとわかったというお話なので、そこで一件落着となるかもしれませんが、ダーウィンにだってうっかりミスはあるかもしれませんね。うっかりミスがあってはダメということはないのではないでしょうか。それも含めながらあれこれ考え、ミスはまた誰かが(本人が気づくこともあるでしょう)改めていくというのが知の形成の中にあってもよいうことだと思っています(ミスだらけの人の勝手な思いですけれど)。
怠け者は作図などせず、眺めていただけですのでゴメンナサイ。

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