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研究館より

ラボ日記

2023.10.04

生命誌研究館創立30周年おめでとうございます

9月も終わり10月になりましたが、今年は9月も暑い日が続き10月からやっと秋の気配を感じるようになりました。暑かった今年は、JT生命誌研究館が創立して30周年記念の熱い年です。5月に東京で式典が行われ、そして先日9月30日に生命誌研究館がある高槻で30周年記念式典が行われました。また、その次の日の10月1日に30周年記念シンポジウムも行われました。多くの人に来場いただき盛況でした。私自身は、生命誌研究館に所属して今年で4年目を過ごしていますが、年を経るごとに生命誌研究館の大切さを感じるようになりました。生命誌研究館は、研究と展示が合わさった施設です。独創的で最先端の研究を行いつつ、生物が内包する生命の面白さを最新の研究と共に発信しています。生物の色んな一面を紹介すると共に、人が生物の一部であることを感じさせてくれます。私のここ数年の研究が少しでも30周年を迎えた生命誌研究館に貢献できていたなら幸いです。

私のクモの胚を用いた数理モデルの研究に関して、ありがたいことに最近少しずつですが広がりを見せています。直近では、先月9月初旬の日本植物学会の大会に招待されシンポジウムで発表する機会を頂いたり、昨年公開した論文の数理モデルについて外国の研究者から問い合わせがあったりなど研究者の社会にクモ胚を用いた数理モデルの研究が認知されてきているのを感じています。現在取り組んでいる研究として、昨年公開した数理モデルをより生物の形作りに近づくように、遺伝子のネットワークに基づいて細胞が形作りを行うように発展させているところです。数理モデルから節足動物の進化についてアプローチできるように日々数理モデルを改良しています。今後ともクモの研究や数理モデルの研究を発展させ、皆さんに面白さを伝えていけるように精進します。

藤原基洋 (奨励研究員)

所属: 細胞・発生・進化研究室

生物の形作りにおける物理背景、特に力学に興味があります。力学を基にした数理モデルを構築し、コンピュータ上でクモ胚の形態形成を再現することで、生物の形作りのルールを見つける研究を行っています。