中村桂子のちょっと一言
2024.08.01
あなたが生きものであることを学ぶ農業
北海道に行きました。美唄と札幌です。千歳空港に降りての感想は、「ここもやっぱり暑い」でした。でも湿気がなく、空の青と木々の緑が広がる爽やかさは、北海道ならではです。
美唄市の小学校が「農業科」を始めて2年。今回は小学校の5年生100人(2校です)にお話をしました。美唄市の教育委員会作成の農業科教科書の表紙には、「あなたが生きものであることを学ぶ農業」と書いてあります。
農業科は時間割の中に入っているので、子どもたちは種をまくところから始めて、毎日育っていく植物を見て水やりをするなど手をかけ、収穫を楽しむところまでを責任をもって進めます。ここから農業の実体、食べものの大切さなどを学びます。
稲刈りだけ楽しんで、次の日にはもう忘れているという農業体験とは違い、「生きものとしての作物」に一年中向き合うのです。その中で、生きものは時間がかかる、手がかかる、思い通りにはいかないということを学び、それが生きものなんだと気づくといいなと思っています。そして人間もそういう生きものの一つなのだから、いつも早く早くと言っている今の社会はちょっと違うんじゃないかというところまで考えて欲しい。そう願っての農業科です。
5年生と、生命誌絵巻を見ながら一緒に考えました。とても元気で、生きもののことをよく考えていることがわかり、楽しい時間でした。すべての生きものはDNAの入った細胞でできていることをかなりの子どもたちが知っていました。よく勉強しているのですね。今つくっているDNAの絵本で、子どもたちと一緒に「生きものとして生きることの大切さ」を語り合うのが楽しみになってきました。それにしても、絵本は難しいです。これから半年、あれこれ悩むことでしょう。
美唄市の小学校が「農業科」を始めて2年。今回は小学校の5年生100人(2校です)にお話をしました。美唄市の教育委員会作成の農業科教科書の表紙には、「あなたが生きものであることを学ぶ農業」と書いてあります。
農業科は時間割の中に入っているので、子どもたちは種をまくところから始めて、毎日育っていく植物を見て水やりをするなど手をかけ、収穫を楽しむところまでを責任をもって進めます。ここから農業の実体、食べものの大切さなどを学びます。
稲刈りだけ楽しんで、次の日にはもう忘れているという農業体験とは違い、「生きものとしての作物」に一年中向き合うのです。その中で、生きものは時間がかかる、手がかかる、思い通りにはいかないということを学び、それが生きものなんだと気づくといいなと思っています。そして人間もそういう生きものの一つなのだから、いつも早く早くと言っている今の社会はちょっと違うんじゃないかというところまで考えて欲しい。そう願っての農業科です。
5年生と、生命誌絵巻を見ながら一緒に考えました。とても元気で、生きもののことをよく考えていることがわかり、楽しい時間でした。すべての生きものはDNAの入った細胞でできていることをかなりの子どもたちが知っていました。よく勉強しているのですね。今つくっているDNAの絵本で、子どもたちと一緒に「生きものとして生きることの大切さ」を語り合うのが楽しみになってきました。それにしても、絵本は難しいです。これから半年、あれこれ悩むことでしょう。
中村桂子 (名誉館長)
名誉館長よりご挨拶