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今号テーマ

脳が生まれる

●生まれるところが面白い
近年、脳研究は盛んですが、ほとんどができ上がった脳の活動を調べています。そもそも脳はどのようにして生まれ、どのように作り上げられていくのだろう。この基本の基本を問いました。トークの中田さんは、脳の形は熱対流で生まれるとするなど、複雑系としての脳に独自の理論で取り組んでいます。流行のMRIもここから生まれました。リサーチは、ニューロンが大脳皮質の脳膜側に並ぶのは、長い繊維をもった神経 駆細胞の分裂様式で説明できるという宮田さんの研究。細胞の能力に感心します。俣賀さん、ヘンシュさんは、脳に特有の可塑性を分子・細胞のはたらきで解明する新しい方向の研究を始めており楽しみです。どれも脳の理解には、でき上がるところを知るのが大切と実感させます。サイエンティスト・ライブラリーの近藤孝男さんは、シアノバクテリアという意外な生物に注目し体内時計を動かす遺伝子、それが作るタンパク質を解明。「初心忘るべからず」という陳腐と思った言葉の意味を改めて噛みしめながら研究を続けているとおっしゃいます。

TALK

脳の自己形成から人間を探る

中田 力新潟大学脳研究所統合脳機能研究センター長・教授
中村桂子JT生命誌研究館館長

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SCIENTIST LIBRARY

近藤孝男名古屋大学大学院教授

生物時計のブラックボックスを開く

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CARD

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2007年年間テーマ

生る

「生る」はすべての始まりです。“なる”と読み、成る、為るなどともつながります。『自己創出する生命』という書物から始まった生命誌の原点でもあり、愛づる、語る、観る、関わるより更に生きもの、そして自然そのものに近い言葉です。木の実が生るという時、あるべきものが自ずと生じてくるという感じがします。柿の木に柿の実が生り、ぶどうの木にぶどうが生る。その陰にはそれを生じさせる生命現象があります。

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2025/1/18(土)

『肉食動物の時間』