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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【広場で語りあいませんか】

平川美夏 4月からSICPのメンバーに加わりました平川美夏です。よろしくお願いいたします。この日記のタイトルにもあるSICP、Si・ku・pu(シクプ)は通称ですが、英語ではScience Communication and Productionになります。ちょっと無理がある呼び方のようにも思いますが、それはさておき、サイエンスコミュニケーション、という言葉が含まれています。この度の震災と原子力発電所の事故以来、科学者や科学技術への信頼が損なわれ、サイエンスコミュニケーションへの不満が指摘されており、なんとかしなくてはという気持ちになります。
 私の印象ですが、ここしばらくの科学者の説明責任という意味で使われてきたサイエンスコミュニケーションは、国民にわかりやすくという視点で、何かの役に立つ技術に直結していることを言うことで、科学の大切さをアピールするという方向に向かっていたように思います。でも実際は、科学と技術の間には大きな隔たりがあって、科学が技術の問題を解決する答えを用意しているわけでないことがわかり、それが科学への不信につながってしまったのではないかと思います。科学を技術につなげるには、本当は多くのことを考え、多くの問題を乗り越えなければならないのに、それに目をつむったのが今の科学技術かもしれません。生命誌で生きものを考えるときには、人間も生きもの、そして人間が作り上げた文明や社会も対象に入ってきます。生命誌ならば、科学技術も政策や利害にとらわれず、未来をささえる知恵として何が大切なのかという見方ができます。その想いを一人一人が、自分で考え自分の言葉で語ることが、Production、表現するという言葉に込められているのだと思います。
 生命誌のホームページの「生命誌の広場」は、生命誌を通じて感じたこと、考えたことを語り合う、表現の場です。ですが、あまり堅苦しく思わずにありのままにお話しください。「ちょっと一言」へご意見は中村館長のお返事と一緒に掲載させていただきます。いただいたご意見にさらに反響がよせられることもあります。そうやって独り言ではなく、語り合いの場として広がっていけるよう、いろいろと工夫しているところです。広場が豊かなコミュニケーションを生む場となるようにご意見やご要望もおよせください。
 「生命誌の広場」に集まって、語り合いましょう。

 [ 平川美夏 ]

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