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今号テーマ

生きものは38億年続いてきた

生きものは38億年続いてきた。もちろんこれは一つの個体が続いたことを意味しません。進化の中で、多様なものが生まれ死にながら続くという戦略をとったからこそ、これだけ長い間続いてきたのです。この特徴を「区切る」という言葉で表現し、それが触覚や運動の重要性につながることを指摘する河本さんとのトークは学ぶことの多いものでした。リサーチは、まさに38億年続くという「頑健さ」(ロバストネス)の秘密を細胞システムそのものの中に探ろうとする新しい視点の研究をとりあげました。見えてきたのが脆弱な部分の必要性というのは興味深いことです。これぞ細胞がもつしたたかさと言えるでしょう。もう一つは、進化を細胞分裂という基本の基本のはたらきの変化として捉える研究です。新しい環境の中で続くには、基本部分にも細かな工夫が見られることがわかり、なるほどと思います。サイエンティスト・ライブラリーは、機械とは違う生物の基本原理を探ろうという壮大な望みをもち、工学部から生物学に移った柳田敏雄さん。装置を工夫し、分子を見ることで定説を破るところは壮快です。

TALK

動きと関わりが生命を続かせる

河本英夫東洋大学文学部教授
中村桂子JT生命誌研究館館長

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SCIENTIST LIBRARY

柳田敏雄大阪大学大学院教授

生命現象の基本に“ゆらぎ”を発見

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CARD

記事のエッセンスが詰まったカード型の読みもの
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2008年年間テーマ

続く

生きているとはどういうことか考えようとするなら動詞でなければならない。そう気づいてこれまでに「愛づる」、「語る」、「観る」、「関わる」、「生る」という切り口で考えてきました。生きもの研究は本当に多様で、一つひとつを見ていると、形にも生き方にもそれぞれの特徴が見えて楽しいものです。一つの細胞である卵からそれぞれの生きものに特有の姿、形ができ上がっていく発生過程にも、カエルにはカエル、クモにはクモ、決して同じではない独自性があります。何故そんな風にやるのと聞きたくなるほどです。しかし一方で、どの生きものにも共通するところがあります。その基本が「続く」です。生きものとは続くものであると言っても過言ではありません。

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2025/1/18(土)

『肉食動物の時間』