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“人類拡散”での検索結果を表示しています。(2 件の記事が該当しました)

TALK

化石が物語る人類の始まり

諏訪 元 × 中村桂子

1954年東京都生まれ。東京大学大学院理学系研究科人類学専攻博士課程修了。80年よりカリフォルニア大学バークレー校へ留学し、エチオピア国立博物館、ケニア国立博物館などで標本調査、東アフリカでのフィールドワークに従事。京都大学霊長類研究所助手、東京大学理学部助教授を経て、現在、東京大学総合研究博物館教授。ティム・ホワイト、ブルハニ・アスフォーらとの国際共同研究チームによるアフリカでの初期人類研究のほか、縄文人など日本の人骨研究も手がける。

この記事を含む季刊「生命誌」

季刊「生命誌」68号編む

ここしばらく、生命誌の中の大事なできごとの一つとして「生きもの上陸」を見てきました。その結果生まれた水、陸、空というさまざまな環境の中での生きものたちの暮らしの工夫には眼を見張るものがあります。

対談のお相手は諏訪さん。陸上での変化の中で最大のできごとと言える人類誕生の姿を捉えつつあると思えるお仕事について、たくさんの化石の中で語り合った時間は充実したものでした。
リサーチは、陸に上がった脊椎動物と植物での、新しい能力獲得の姿を捉える若い方たちです。トリの発生の高橋淑子さん、植物の塚谷裕一さんのもとから育つ新しい力を頼もしく思います。トリ(脊椎動物)の骨や筋肉を作る基本構造の中から旅をして血管を作る細胞になっていく過程。行く先でしっかり体を作ってくれよと送り出されているようで、細胞の世界にも物語があると感じます。動物に比べると、形にそれほど変化がないように見える植物も、それぞれに必要な器官を工夫しています。イネの細長い葉をしっかり支える中肋を作る遺伝子は、既存のものを流用しているとわかりました。

サイエンティスト・ライブラリーの塚本先生は、回遊への関心からウナギの産卵場を追い続け、ついにそれを特定なさったドラマを語って下さいました。本当に知りたいのは旅をする心なのだとおっしゃりながら。(中村桂子)

    季刊「生命誌」に掲載された記事のうち、
    多様な分野の専門家との語り合い(TALK)研究者のインタビュー(Scientist Library)の記事が読めます。
    さまざまな視点を重ねて記事を観ることで、生命誌の活動の広がりと、つながりがみえてきます。

    オンライン開催 催しのご案内

    レクチャー

    12/14(土)14:00-15:30

    季節に応じて植物が花を咲かせるしくみ