研究セクターより、学術論文が出版されました。
【論文の解説】
日本と台湾に分布するイチジク属2種の花嚢壁に寄生するタマバエの新属・新種の発見 イチジク属植物は約850種が知られているが、その花嚢や葉を利用するタマバエは種名が確定していない種を含む20種前後しか知られていない。著者らは野外調査にて、タマバエが未発見であったアコウとオオバアコウの花嚢からタマバエを得ることができた。成虫や蛹、幼虫を検視した結果、未記載属・未記載種と判明したため、Ficidiplosis属のFicidiplosis subpisocarpae、Ficidiplosis caulocarpaeとして命名記載した。両種は形態的によく似ているが、COI遺伝子を用いた系統解析では明確に分けられた。また、両種は日本から台湾にかけての広い範囲に分布しているが、種内の遺伝的な変異は大きくなかった。Ficidiplosis属の幼虫は花嚢壁の中にいて、花嚢壁を食べて成長し、そのまま花嚢壁の中で蛹になる。幼虫や蛹はゴールを形成せずに羽化に至る。
左: オオバアコウの花嚢壁中のタマバエ幼虫, 右: アコウの花嚢壁中のタマバエ蛹
【論文情報】
Arimoto, K., Yukawa, J., Yafuso, M., Sasaki, A., Su, Z.-H. (2024)
New genus and two new species of Cecidomyiidi (Diptera: Cecidomyiidae) inhabiting the fig wall of Ficus subpisocarpa and Ficus caulocarpa (Moraceae) in Japan and Taiwan.
Entomological Science 27(3), e12583.
https://doi.org/10.1111/ens.12583 >
【論文の解説】
日本と台湾に分布するイチジク属2種の花嚢壁に寄生するタマバエの新属・新種の発見 イチジク属植物は約850種が知られているが、その花嚢や葉を利用するタマバエは種名が確定していない種を含む20種前後しか知られていない。著者らは野外調査にて、タマバエが未発見であったアコウとオオバアコウの花嚢からタマバエを得ることができた。成虫や蛹、幼虫を検視した結果、未記載属・未記載種と判明したため、Ficidiplosis属のFicidiplosis subpisocarpae、Ficidiplosis caulocarpaeとして命名記載した。両種は形態的によく似ているが、COI遺伝子を用いた系統解析では明確に分けられた。また、両種は日本から台湾にかけての広い範囲に分布しているが、種内の遺伝的な変異は大きくなかった。Ficidiplosis属の幼虫は花嚢壁の中にいて、花嚢壁を食べて成長し、そのまま花嚢壁の中で蛹になる。幼虫や蛹はゴールを形成せずに羽化に至る。
左: オオバアコウの花嚢壁中のタマバエ幼虫, 右: アコウの花嚢壁中のタマバエ蛹
【論文情報】
Arimoto, K., Yukawa, J., Yafuso, M., Sasaki, A., Su, Z.-H. (2024)
New genus and two new species of Cecidomyiidi (Diptera: Cecidomyiidae) inhabiting the fig wall of Ficus subpisocarpa and Ficus caulocarpa (Moraceae) in Japan and Taiwan.
Entomological Science 27(3), e12583.
https://doi.org/10.1111/ens.12583 >