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研究員レクチャー イチジク属植物とイチジクコバチの「1種対1種」関係の維持と崩壊を考える

詳細

日時

2007/04/21(土) 14:00〜15:30

場所

JT生命誌研究館 1Fコンファレンスルーム(入館無料)

出演者

蘇 智慧 研究員
(DNAから共進化を探るラボ)

参加方法

※参加無料
※事前申込不要

担当

蘇 智慧 室長(〜2024/03) (DNAから進化を探る 系統進化研究室 

内容

 昆虫と植物との共生関係の中で、イチジク属とその送粉コバチとの関係は厳密でもっとも種特異性が高く、1種のイチジク植物にただ1種のコバチが送粉している「1種対1種」で対応すると言われている。
 「1種対1種」の関係はどうやって維持されているのだろうか? 最近の研究では、同じ種のイチジク植物から得られた送粉コバチは必ずしも同じものではないことから、その「1種対1種」の関係の崩壊もあり得ると指摘されている。イチジク属植物には、雌雄同株の種と雌雄異株の種がいる。そこには、「1種対1 種」の関係の維持と崩壊のメカニズムが隠れているかもしれない。
 前回のレクチャーでは、私は 「形態的に1種と見えても、実際に高い選択圧を受けて、コバチの形態の収斂や平行進化が起きているかもしれない」と話した。それが事実であることが明らかになった。

イチジク属植物の一種
イチジク属植物の一種
オオイタビの花嚢
オオイタビの花嚢

このイベントを開催する研究員をご紹介

蘇 智慧 (室長(〜2024/03))

  • 研究分野 系統・進化・種分化・多様性 学位
  • 学位 博士(農学)

カイコの休眠機構の研究で学位を取得しましたが、オサムシの魅力に惹かれ、進化の道へと進みました。1994年から現在に至るまで、ずっとJT生命誌研究館で研究生活を送ってきました。オサムシの系統と進化の研究から出発し、昆虫類をはじめとする節足動物の系統進化、イチジク属植物を始めとする生物の相互作用と種分化機構の研究を行っています。

DNAから進化を探る 系統進化研究室 

レクチャーについて

JT生命誌研究館の研究員をはじめとするさまざまな分野の研究者が、探究と発見の日々をお話します。
進行形の研究、そこで考えたこと、苦労話など研究を身近に感じる絶好の場です。
レクチャーを聞いた後には、会場も一体となって話の輪が広がります。入場無料です。