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研究員レクチャー 「失う」ことで新しさが生み出された細胞と細胞をつなぐ分子構造の多様化

詳細

日時

2011/09/17(土) 14:00~15:30

場所

JT生命誌研究館 1Fカンファレンスルーム

出演者

小田広樹研究員(ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ)

参加方法

※参加無料
※事前申込不要

内容

私たちの遠い昔の祖先は、細胞と細胞をつなぐ分子を作り出す事に成功し、多細胞からなる体をもつことができるようになりました。カドヘリンと呼ばれる細胞と細胞をつなぐ分子は、初期の多細胞動物にすでに存在し、現在に至るまで動物の体づくりに重要な役割を果たし続けて来た分子です。しかし、その普遍的な重要性にも関わらず、カドヘリン分子の構造は動物の系統によって異なる、大きな変化を受けてきました。興味深い事に、その変化には一定のルールがあります。それはもともとの構造の一部を失うことです。つまり、「失う」ことで多様な構造が生み出されてきたのです。細胞と細胞をつなげる分子構造が多様化することと動物の形態が多様化することと何か関係があったのでしょうか? 実験生物学として解くには難しい問題ですが、少し想像を膨らましていっしょに考えてみたいと思います。

このイベントを開催する研究員をご紹介

小田広樹 (室長)

  • 研究分野 発生生物学、細胞生物学
  • 学位 博士(理学)

動物多様化の背景にある細胞システムの進化に興味を持っています。1) 形態形成に重要な役割を果たす細胞間接着構造(アドヘレンスジャンクション)に関わる進化の研究と、2) クモ胚をモデルとした調節的発生メカニズムの研究を行っています。

ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろう 細胞・発生・進化・研究室

レクチャーについて

JT生命誌研究館の研究員をはじめとするさまざまな分野の研究者が、探究と発見の日々をお話します。
進行形の研究、そこで考えたこと、苦労話など研究を身近に感じる絶好の場です。
レクチャーを聞いた後には、会場も一体となって話の輪が広がります。入場無料です。