詳細
日時
2012/06/16(土) 14:00〜15:30
場所
JT生命誌研究館
出演者
小田 広樹 研究員 (ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ)
参加方法
※参加無料
※事前申込不要
担当
小田広樹 室長 (ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろう 細胞・発生・進化・研究室 )
内容
- 動物のからだには繰り返し構造が見られる。脊椎動物の脊椎や昆虫のからだの節(体節)などはその代表例である。それぞれの動物種は、繰り返し構造を様々に修飾して、例えば、触覚や脚、翅、骨格、尾などの形態的特徴を備えた機能性の高いシステムを構築している。生物進化では、生存競争に有利な機能性の高いシステムがひとたび獲得されると、安定的に維持される傾向にある。実際に、からだの軸に沿った繰り返しパターンの形成は、脊椎動物や節足動物のグループでしっかりと保守されている。
しかし、形態が保守されながらも、その形態(繰り返しパターン)を生み出すための仕組みは大きく多様化してきたようである。私たちの最近のオオヒメグモの研究では、少なくとも3種類の異なった仕組みが存在していることが分かってきた。私たちは、繰り返し縞パターンの形成を一つのモデルケースとして、生物の多様化を支配する原理を探究したいと考えている。今回のレクチャーでは、このテーマに関する私たちの研究の最新情報を紹介したい。
このイベントを開催する研究員をご紹介
小田広樹 (室長)
- 研究分野 発生生物学、細胞生物学
- 学位 博士(理学)
動物多様化の背景にある細胞システムの進化に興味を持っています。1) 形態形成に重要な役割を果たす細胞間接着構造(アドヘレンスジャンクション)に関わる進化の研究と、2) クモ胚をモデルとした調節的発生メカニズムの研究を行っています。
レクチャーについて
JT生命誌研究館の研究員をはじめとするさまざまな分野の研究者が、探究と発見の日々をお話します。
進行形の研究、そこで考えたこと、苦労話など研究を身近に感じる絶好の場です。
レクチャーを聞いた後には、会場も一体となって話の輪が広がります。入場無料です。