詳細
日時
2007/03/07(水)
場所
JT生命誌研究館
出演者
大庭良介(京都大学)、小野 肇(京都大学)
内容
- 「BRH公開セミナー」
- 日時
- 2007年3月7日
- 場所
- JT生命誌研究館
- プログラム
- 1.「細菌染色体の動態~染色体形態の制御機構~」
講演者:
大庭良介(京都大学)
内容:原核生物・真核生物を問わず、染色体はタンパク質等によって階層的に折り畳まれ、細胞あるいは核内に収められています。本セミナーでは、細菌染色体に焦点を当て、階層性維持へのRNAの貢献、形態変化のためのDNAトポロジー制御の重要性、について報告したいと思います。
2.「ステロイドホルモンによるショウジョウバエの発生タイミングの制御」
講演者:
小野 肇(京都大学)
内容:昆虫は生育過程において適切な時期に脱皮変態を遂げる必要がある。しかし発生のタイミングを制御する機構は明らかにされていない。発生タイミングの決定は、発生を誘導する情報物質がどのタイミングで生合成されるか、生合成がどのようにして調節されているか、その情報物質がどのように伝えられるかが鍵となる。昆虫の脱皮変態は数種類のホルモンの複合的な作用によって制御されており、そのうちステロイドホルモンであるエクジステロイドは必要とされる時期に神経ペプチドの刺激により生合成されて脱皮変態を引き起こす。これよりエクジステロイドによる発生タイミングの決定機構を明らかにすることを目的として、エクジステロイド生合成機構、神経ペプチドによるエクジステロイド分泌制御機構、エクジステロイドの関与する情報伝達の経路の解明を進めている。現在までに、ショウジョウバエではエクジステロイド生合成酵素の一つが遺伝子重複によって生じたと考えられる2種類の相同遺伝子(spo/spok)によってコードされていることを明らかにした。これらのパラログはそれぞれ異なる発生段階にて特異的に発現しており、そのうち幼虫の時期に発現している遺伝子(spok)の発現のタイミングが幼虫の脱皮に必須の転写因子(mld)によって制御されていることを明らかにした。