詳細
日時
2007/04/13(金)
場所
JT生命誌研究館
出演者
Emmanuelle Jacquin-Joly (Institut National de la Recherche Agronomique, France; INRA: フランス国立農学研究所)
内容
- 「The molecular basis of olfactory reception in moths」
- 日時
- 2007年4月13日
- 場所
- JT生命誌研究館
- 講演者
- Emmanuelle Jacquin-Joly (Institut National de la Recherche Agronomique, France; INRA: フランス国立農学研究所)
- プログラム
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Spodoptera属(ヨトウガの仲間)は、ヨーロッパ各地で最も重要な農業害虫の一つとなっている。より効果的で、環境負荷も小さく、永続的に利用可能な防除方法の開発は、フランスの農学研究において重要なテーマとなっている。ヨトウガの仲間は、嗅覚を利用し餌植物に接近して産卵することから、嗅覚の仕組みを解明することができれば、生得的な行動を利用して耐性の発達する可能性のない有力な防除方法の開発に役立つと考えられる。
嗅覚受容に関連する遺伝子を探索するため、ヨトウガ触覚のcDNAライブラリーを作成し、数千クローンの塩基配列を決定し、SpodobaseというESTデータベースを公開している。このライブラリーの解析から、これまでに触覚だけで発現するPhBP、GOBP、ABPX遺伝子を数種類発見している。CSPは6種類発見しているが、そのうちの5種類は全身で発現し、CSP5は触覚、口吻、前脚といった感覚器官でだけ発現していることを確認している。現在、これら運搬タンパクと思われる遺伝子群について、詳細な機能解析に取り組んでいる。
化学受容体の候補遺伝子もいくつか発見しているが、他の受容体候補遺伝子の探索と機能解析の方法について、生命誌研究館・昆虫と植物の共進化ラボと協力し、取り組んでいく予定である。