サマースクール 2017年度の報告

ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ
「遺伝子で細胞接着を調べよう!」

私たちのラボの今年のサマースクールは、私たちのラボが取り組んでいる最先端の研究を進めるための実験を行いました。テーマは「遺伝子で細胞接着を調べよう!」でしたが、実際は、「細胞接着の新たな仕組みを探究しよう!」という感じだったかもしれません。そんなこともあり、1日目の最初の2時間はみっちりと講義をして、どのような発想で最近の私たちの研究が展開されているかを理解することに努めてもらいました。

講義後、4名の生徒は2人ずつのチームに分かて、実験に使うカドヘリン遺伝子の組み合わせを検討しました。この実験をデザインするステップが研究では一番難しく、今回この時間をじっくり取れたことはよかったと思います。非常に個性が表れるところで、新しい発見ができるかどうかはここで決まってくると言って過言ではありません。人によっては、多くの組み合わせを隈無く試したいと考えたり、技巧的に複雑な組み合わせを考えたりと、いろいろです。遺伝子の組み合わせを決定した後、細胞への遺伝子導入、その細胞を用いた細胞集合実験、実験結果の観察と記録、結果の考察、プレゼンテーションを2日間で行いました。

こちらの思いは生徒に伝わったようで、ひとつ興味深い結論を導きました。それは、異なる種由来の祖先型のカドヘリンは互いにくっつくかもしれないというものです。今後この提案を検討して、新たなメカニズムの発見につなげて行きたいと考えています。

今回のサマースクールは、研究の最先端のところで行っている努力を共有する機会を作ろうという思いで企画しました。参加された生徒が創造的な研究活動に興味を持ってくれたならばうれしいです。

小田広樹(研究員)

参加者の感想

がんばったかいがあってうれしかった

参加者:Y.I.

今回、私が生命誌研究館のサマースクールで選んだラボは、『ハエとクモ,そしてヒトの祖先を知ろうラボ』で、テーマは、「Type3,ype4bのカドヘリンもType4aと同じように独自の接着特異性をもつのか?」という重要な内容を2日間で実験しました。この実験にはすごく時間がかかりました。

まずDNAの混合液を各6μLずつ準備する段階では大丈夫だったのですが、混合液や無血清培養液をピペットマンという器具で取るという作業が、初めてなのでとても時間がかかりました。もう一人の中学2年生は、理科が好きで実験も慣れているようで、また、先生の説明している内容もだいぶ理解できているようでした。

1日目の後半は、ビーズを使った照合実験をやりました。作業を何回もやっていると慣れてきて、少しだけ早くなれました。ビーズのようすを最後に実体顕微鏡で写真撮影したときは、本当にがんばったかいがあってうれしかったです。2日目には自分の意見を考えられるようになりました。

2日間、小田研究室のスタッフの方々に本当にお世話になりました。ありがとうございました。

細胞接着とカドヘリン

参加者:M.M.

昨年・一昨年とクラブの合宿と日程が重なり、このサマースクールに参加できませんでしたが、今年度は幸い日程的に参加が可能になり、クラブの中学3年生1名と共に、『ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ』での活動に参加させていただきました。

今回のテーマは、細胞間接着にはたらくタンパク質であるカドヘリンの遺伝子を細胞に導入し、どのようなカドヘリンの種類の組み合わせによって細胞間接着が生じるかを調べる、というものです。

実験に入る前に、小田先生から細胞接着のメカニズムと今回の実験の手順の説明を受け、その後、参加者4名が2名ずつの2チームに分かれて、どのカドヘリンの組み合わせを調べるかを話し合いました。

実験の手順としては、基準となる細胞にマーカーとなる色素と目的のカドヘリン遺伝子を導入し、培養後に細胞を混合して、その接着の様子を観察することになります。

実際の作業は、細かい処理の積み重ねでしたが、研究室の方々の丁寧な指導のおかげで、何とか最後まで進めることができました。

最近の高校の授業でも、細胞接着やカドヘリンについて扱うようになっていますが、今回のスクールに参加させていただき、より詳しい内容と、それらの知識がどのようにして得られたのかを知る、貴重な機会になりました。

最後になりましたが、小田研究室のスタッフの方々が、今回のスクールの準備と運営に払われた時間と労力に、感謝の思いで一杯です。この場をお借りしてお礼に代えさせていただきます。本当にありがとうございました。

自分の手でデーターを集めることの大切さや考えることの素晴らしさ

参加者:Y.T.

5月大阪大学の春の学園祭「いちょう祭」でJT生命誌館の出張展示のナナフシの展示に立ち寄り、そこで今回のサマースクールのことを知ることが出来ました。私は「ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ」に参加させて頂きました。遺伝子で細胞接着を調べようという実験テーマでした。細胞をつかった集合実験では、初めての実験器具の操作で不安がありましたが丁寧に指導してくださり安心して経験することが出来ました。貴重な体験の顕微鏡を使用しデーターの取得、画像データーなどからハエ神経とクモの細胞接着があったのではないかと判断しましたが、慣れない実験作業のため遠心機での細胞を接着させる時間など、やや短かったのではないかという問題が残る結果となってしまったことは残念です。しかし自分の手でデーターを集めることの大切さや考えることの素晴らしさを体験する事のできたサマースクールはとても楽しく興味深いものとなりました。本当にありがとうございました。

絶対、研究者になりたい!

参加者:Y.M.

今年の夏休みはサマースクールに参加できて、貴重な体験がでました。僕は細胞結着の実験の班で、どんな実験をするか全く想像がつきませんでした。実際は細胞に遺伝子を組み込んで、その結果細胞が集まるかどうかを観察しました。先生の説明を聞いて、本だけでは理解しにくかった細胞が協調して働くこと(心筋細胞など)の仕組みがよく解りました。実験の説明を聞いて、不器用な僕は少し不安になったけど、先生に「ちゃんと出来ているよ。」と言われホッとしました。

今回専門的な実験を体験して、すごくおもしろかったです。漠然と抱いていた将来の夢が「絶対、研究者になりたい!」と思うようになりました。そのために、2学期からはもっと真剣に授業を聞いて、勉強を頑張ろうと思いました。ご指導をいただいた先生方、生命誌研究館のスタッフの皆さんありがとうございました。来年もぜひ参加したいです。宜しくお願いします。

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