サマースクール 2006年度の報告

チョウのハネの形づくりラボのサマースクール
「細胞の変化を見ながら、チョウのハネのでき方を調べてみよう!」

チョウのハネは、サナギの時期に大きな変化を起こしてできあがります。当ラボでは、どのようにしてハネが形成されるかについて、電子顕微鏡(走査型)を用い、サナギのハネを構成する細胞の形の変化に着目して調べてもらいました。参加者は、高校生物のベテラン教員のお2人でした。日程は短いので、実験を進めてデータを取る作業を行う中でも、適宜、「研究とは何か」「どのように目標を設定するか、吟味するか」「目標にどのようにアプローチするか」、等々について、私なりの体験に基づいてお話しして、また気軽に質問してもらえるように心がけようと思いました。そして、短い期間の中ですが、何とか「研究・学問の実体」を体感してもらいたいと思いました。

はじめに目的・方法・基礎的知見、などを説明したのち、予めこちらで「固定処理」しておいたモンシロチョウのサナギ(発生段階の異なるものいくつか)を渡し、さっそく実験に取りかかってもらいました。サナギをよく見ながらハネの部分だけを切り離し、このハネの「上皮」を取り出し、さらに、このハネ上皮の「調べたいポイント」がわかりやすくなるように、「余分」な箇所を取り去って「成形」してもらいます。実体顕微鏡下で、先端を鋭く研磨したピンセットと小さなハサミを使っての作業です。しかしはじめて取り組むにはやはり「限界」がありますので、ときどき私も交代しながら、なんとかやり終えて、前半の山場を越えました。その後、試料が変形しないように「凍結乾燥」を行い、「試料台」に取り付けて1日目は終了です。2日目は電子顕微鏡での観察です。画面を見ながらポイントを話し合い、お2人には何枚かの写真を撮ってもらいました。同じ画面を見ても、その人の「力」によって、見ることのできるもの、わかることのできるものは違います。このようなタイプの研究に対する理解を深めてほしいと思いながら、写真を撮ってもらいました。

「発表会」の準備に際しては、はじめに私も含めて話し合って実験の検討を行いましたが、その後は、さすがに教員としてのご経験からか、ほとんどお2人でたいへん手際よく作業を進められました。

実験はお2人にとって、なにしろはじめて材料であり、手法でしたので、とまどわれることも多かったと思いますが、よく一生懸命取り組んでくださったと思います。そしてお2人と話していて、研究対象に対する「驚き」を覚えていただけたであろうことや、このようなタイプの研究の意義を理解していただけたであろうことなど、私なりにそんな感触を得ることができて嬉しく思いました。

吉田昭広(研究員)

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