サイエンス・コミュニケーション&プロダクション(SICP)セクター

 シグナル伝達図版チーム

ビフォー
 私たちのグループは、シグナル伝達に関心のある大学生が中心です。素材は、ある有名な進化発生学の教科書の導入部分から。発生プログラムで働く遺伝子は、様々なシグナル経路を介して発現します。シグナル経路どうしの複雑な関係を捉え直し、“遺伝子発現の論理”を表現した野心的な(?)試みが、ビフォー図版。シグナル経路を電気回路に模し、受容体から転写因子までの「経路」、標的遺伝子までを含む「回路」、回路と回路が形成する「ネットワーク」など、それぞれ定義した言葉の関係性を、丸・四角・矢印・破線で描いています。シンプルな図版ですが、説明を読みながら丁寧に矢印を追うと・・・、何だかよく分からない(著者の方、ご免なさい)。
 まずは皆で英語の原著読み。そこから言葉の定義を検討し、各論ページに“遺伝子発現の論理”がどのように適応されているのか探します。これだけでも知恵熱がでそうな作業です。次はアフター図版のラフ案作り。「この言葉の意味を表現するなら、矢印の向きはこの方が良いのでは?」など、描くことで考えを深めます。PCを使って図版に仕上げる段階になっても、凡例の表現で議論ふたたび。皆が納得できる形にできなかったのは残念ですが、複雑な現象を一枚の概念図に矛盾無く納める大切さと難しさを、メンバー全員が体験した2日間でした。

【改善ポイント】
 ● 同じ経路を使っても、調節される標的遺伝子のグループが異なれば、それぞれ独立の回路とする。これを表現するのに「日めくりカレンダー」のイメージを用いる。
 ● ネットワークが回路と回路の相互作用を指すことを分かり易くする。
 ● 「階層構造」が何を指すのか分かり易くするため、最適なイメージを探す/当てはめる。
←時間切れで断念
桑子朋子(スタッフ)

アフター

SICPからのコメント
 原図は、おそらく気の遠くなるような様々な現象や事例を頭に入れて、それを強いて一つの図で表すなら…と作られた凝縮の結晶「概念図」。簡単に見えてなかなかどうして難しい!作図者の頭脳を遠くに感じる難易度最高の改変でしたが、粘り強く時間をかけて図の解読に取り組み、何枚もの試案の図が飛び交った末、ついに“日めくりカレンダー”に置き換えようというオリジナルな案がでてきたガッツがすばらしかったです。あーでもないこーでもないとスタッフ共々頭を抱えて、新たな糸口が見えかけた時の興奮、忘れられませんね。想像力とイメージを絞り出して、とことん向き合って考える有意義な時間を過ごせたと思います。そして私も今だにこの図の真相が気になっています。
北地直子(スタッフ)

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