研究員レクチャー
研究員レクチャー
JT生命誌研究館の研究員が月に1回づつ、現在おこなっている研究について話します。
【入場無料・予約不要】
研究員レクチャー2003年度
  第1回
 日  時 : 2003年4月26日(土) 14:00〜15:30
 場  所 : 1Fコンファレンスルームにて
 講  師 : 吉田昭広 研究員
(チョウのハネの形づくりラボ)GO!
 タイトル : 「チョウのハネの形と感覚」
 内  容 :  生きものの形(や模様)は、その生きもの自身が「生き抜いていく」ために役立つ特徴をもっていることが少なくありません。「肉眼」でわかる形はもちろん、顕微鏡でも使わないとわからないような小さな形までもが、生きものにとってたいへん大きな意味をもつことがよくあります。
 最近、チョウのハネの微細な部分の形が、ハネのもつ感覚機能にとって重要な意味をもつことがわかってきました。また、この微細な形の作り方もたいへん「理にかなった」ものとなっています。私達の研究を紹介しながら、生きものの形・形づくり・生物機能などがたくみに関連しあっている様子を(チョウのハネを通して)お伝えしたいと考えています。
モンシロチョウ
モンシロチョウ
ホソオチョウ
ホソオチョウ
  第2回
 日  時 : 2003年6月14日(土) 14:00〜15:30
 場  所 : 1Fコンファレンスルームにて
 講  師 : 小野 肇 研究員
(昆虫と植物の共進化ラボ)GO!
 タイトル : 「アゲハチョウと食草の関係」
 内  容 :  アゲハチョウの幼虫は限られた植物の葉を食べて成長します。例えば、ナミアゲハはミカン、アオスジアゲハはクスノキ、ジャコウアゲハはウマノスズクサを利用します。このようなチョウと食草の特異的な関係が様々な方面から研究されています。「チョウはどのような進化の道をたどって食草を選んできたのか?」「どのようにチョウは植物に適応しているのか?」「どのようにしてチョウが食草を認識しているのか?」このような問いに対して明らかにされたことについて解説します。もちろん解き明かされていない問題点も沢山あります。そこでアゲハチョウと食草の関係に関する難題を私たちのグループがどのようにして解き明かそうとしているのかについて紹介します。
ミカンの葉を食べるアゲハの幼虫
ミカンの葉を食べるアゲハの幼虫
  第3回
 日  時 : 2003年7月12日(土) 14:00〜15:30
 場  所 : 1Fコンファレンスルームにて
 講  師 : 小田広樹 研究員
(ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ)GO!
 タイトル : 「脊椎動物はどこから来たのか?」
 内  容 :  ヒトはサカナと同じ脊椎動物、背骨を持つという点で共通している。脊椎動物はどのような動物から誕生したのだろうか?生命誌研究館での私たちの研究を含め、世界で現在進行中の多くの研究はその問題に答えを出すことを目指している。今回のレクチャーでは、脊椎動物の起源を突き止めるための研究者の試みを紹介する。
脊椎動物と同じ脊索動物門に分類されている無脊椎動物ナメクジウオ。幼生を蛍光色素で染色し、尾部を拡大した写真。“脊索”と呼ばれる構造が見られる。
  第4回
 日  時 : 2003年7月26日(土) 14:00〜15:30
 場  所 : 1Fコンファレンスルームにて
 講  師 : 蘇 智慧 研究員
(DNAから共進化を探るラボ)GO!
 タイトル : 「送粉コバチと寄生コバチはどこが違う?」
 内  容 :  イチジクの花のうには、送粉コバチのほかに、花粉を運ばないコバチ(総称:寄生コバチ)も生活している。寄生コバチは、どんな戦略でイチジクを利用しながら、多様化してきたのだろう?
寄生コバチ 送粉コバチ
  第5回
 日  時 : 2003年8月9日(土) 14:00〜15:30
 場  所 : 1Fコンファレンスルームにて
 講  師 : 橋本主税 研究員
(脳の形はどうやってできるのかラボ)GO!
 タイトル : 「生きものの形、ゲノムの形」
 内  容 :  生きものの形づくりの情報はゲノムにあります。ゲノムとはその生きものを作る遺伝子のセットのことですが、ではゲノムの情報がどのようにして生きものの形を作るのでしょう?今回は研究の立場から少し離れて、歴史的側面や哲学・思想的側面、あるいは生物学以外の科学の立場から生きものの形について考えてみましょう。
  第6回
 日  時 : 2003年9月13日(土) 14:00〜15:30
 場  所 : 1Fコンファレンスルームにて
 講  師 : 秋山-小田康子 研究員
(ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ)GO!
 タイトル : 「動物の形づくりの違いについて」
 内  容 :  動物の体はさまざまな形をしていますが、受精卵から、細胞分裂、形態形成運動、細胞分化が起こり、形づくられていきます。一方、地球上に存在するさまざまな形をした動物はみな進化を経て誕生したものです。動物の体をつくるメカニズムにはどのような違いがあるのでしょうか? 今回のレクチャーでは、さまざまな動物の頭−尾、背−腹など体の基本的なパターンのでき方についてお話し、動物の体をつくるメカニズムの違いと動物の進化がどのように結び付けられようとしているのか、世界で現在進行中の研究についてご紹介します。
クモの卵の一部を拡大した写真。背中になるためのシグナルを受け取った細胞が染色されている。
  第7回
 日  時 : 2003年11月8日(土) 14:00〜15:30
 場  所 : 1Fコンファレンスルームにて
 講  師 : 尾崎克久 研究員
(昆虫と植物の共進化ラボ)GO!
 タイトル : 「アゲハチョウの産卵行動に関わる味覚受容体」
 内  容 :  ナミアゲハの幼虫はミカンの葉しか食べることができないので、メス成虫の正確な産卵場所選択は、次世代の生存を左右するとても重要な機能といえます。メス成虫は花の蜜を食料としていますので、自分自身は植物の葉を食べませんが、前足のふ節にある感覚毛で葉の“味見”をして、幼虫が食べられる葉であることを確認してから産卵します。このことから、感覚毛で働いている味覚受容体は、ナミアゲハとミカンの関係を強固に結び付ける鍵になると考えることができます。味覚受容体の遺伝子を研究することで、食草を変更しながら共通の祖先から現在のような多様なアゲハチョウ科に分化していった進化の歴史を解明できるのではないかと考えています。
産卵中のナミアゲハ雌成虫
  第8回
 日  時 : 2003年12月13日(土) 14:00〜15:30
 場  所 : 1Fコンファレンスルームにて
 講  師 : 村瀬 香 研究員
(DNAから共進化を探るラボ)GO!
 タイトル : 植物と昆虫の共進化
 内  容 :  地球上の全ての生物は、単独では生きていくことが出来ません。どの生物も、複数の種となんらかの関係を持っているのです。こういった意味で、生物の進化やその多様性について考えるには、生物間の関係に関する研究が不可欠です。
当日は、種間関係に関する、興味深い研究例を紹介するとともに、私自身が行っている、アリ類と植物における種間関係の研究を紹介致します。講議を通じて、野外調査の面白さやその重要性が伝わればいいなと思っております。
野外調査の様子
  第9回
 日  時 : 2004年1月24日(土) 14:00〜15:30
 場  所 : 1Fコンファレンスルームにて
 講  師 : 山崎一憲 研究員
(ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ)GO!
 タイトル : 「無脊椎動物の多様性と系統関係」
 内  容 :  多細胞動物は、現在100万種以上が知られており、そのうちの95%以上が無脊椎動物(背骨のない動物)に分類されています。これほど多様な無脊椎動物はどこからやってきたのでしょうか。お互いの系統関係はどうなっているのでしょうか。身近には多くの無脊椎動物が存在していますが、意外と知らないことが多いのではないでしょうか。今回は無脊椎動物各分類群の特徴や系統的位置などを紹介する予定です。そして多くの生物を知ることにより、われわれヒトも生物多様性を担っている一員であることを再認識しましょう。
<入場は無料、予約不要>

節足動物ヤエヤマサソリ 節足動物ミョウガガイ
刺胞動物イガグリガイ 軟体動物ヒタチマイマイ

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