BRH公開セミナー2006年度の報告

タイトル
「Cell Behavior DataBase:高次生命現象理解のための知識ベースの構築」
日時
2006年12月13日(水)午後13時30分~
場所
JT生命誌研究館
講演者
団まりな(階層生物学研研究ラボ)
内容

生物学の分野において、近年、膨大な分子・遺伝子情報が蓄積しつつあるが、これら全ての情報と、より高次な生命現象を結びつけるものとして、細胞の存在はきわめて重要である。しかしながら、生きたユニットとしての細胞に関する情報は、切れ切れな情報として広汎な論文や雑誌に散在しており、必要な情報にアクセスすることが困難な状況にある。この状況を打開し、生き生きとした細胞のイメージや正確な細胞情報を広く共有することを可能にする目的で、私たちは「細胞行動知識ベース」の構築を試みてきた。現在1,500余りの情報を収集している。このセミナーでは、「細胞行動知識ベース」における情報収集の方法、現在迄の作成の実際、教育的ならびに学問的な応用についてお話しする。

特に、その中でのエマージェンシートピックスとして、本データベースからの新たな学問領域の創発の可能性を提示したい。すなわち、細胞行動には9つの「素行動」が存在し、さらにそれらを単位として、細胞行動の「複合度」を規定できることが分かってきた。この点を含めて、「細胞行動知識ベース」の将来を展望したい。

タイトル
「分子に基づく真獣類の新しい系統分類 ―大陸間でみられる収斂進化―」
日時
2006年12月8日(金)13時30分~14時30分
場所
JT生命誌研究館
講演者
長谷川政美(統計数理研究所
内容

最近、真獣類の系統・分類が分子で見直されつつある。新しい分子系統樹によると、真獣類はいくつかの大きな分類群に分かれ、各分類群は大陸ごとに発展したらしい。さらに、分類群の間では収斂進化が多数認められる。有袋類と真獣類の収斂進化は有名であるが、真獣類同士でも盛んに収斂進化が起きていたらしい。セミナーでは、これらの最近の研究成果を分子系統学の第一人者である長谷川政美教授に紹介していただいた。

タイトル
「生命誌研究館ワークショップ かたちを考える」
「左右相称動物の初期進化を考える」
日時
2006年11月22日(水)13時00分~18時10分
場所
JT生命誌研究館
プログラム
13:00~13:20
橋本主税(JT生命誌研究館)
「かたちをどう考えるのか?」
13:20~14:00
坂井雅夫(鹿児島大学 理学部)
「カエルの発生をレポート用紙3枚にまとめる」
14:00~14:40
八田公平(理研神戸CDB)
「脊椎動物発生における形づくりを見る」
14:50~15:30
清水 裕(遺伝学研究所・発生)
「ヒドラの形づくり」
15:30~16:10
本多久夫(兵庫大学 健康科学部)
「形は細胞がつくる」
16:10~16:50
三浦 岳(京都大学 医学部)
「頭蓋骨縫合線のパターン形成の数理モデル化とその実験的検証」
16:50~17:30
近藤 滋(名古屋大学 理学部)
「発生学を終わらせよう」
17:30~18:10
細馬宏通(滋賀県立大学 人間文化学部)
「真似ることとコピーすること」
集合写真
タイトル
「骨形成タンパク質とプロセッシング酵素による形態形成」
日時
2006年8月7日(水)午後15時00分~
場所
JT生命誌研究館
講演者
西松伸一郎(川崎医科大学)
内容

骨形成タンパク質(BMP)ファミリーは、胚の体軸にそった形態形成に関与する。我々は、BMPファミリーのなかで独立したグループを形成するBMP-3bとBMP-3を中心に形態形成における役割を解析している。この2つのBMPは、背側化因子としてBMP-4などの腹側化因子と拮抗して働くこと、さらにBMP-3bはツメガエル胚の頭部形成に関与することを明らかにした(Dev Biol 260, 138-157 (2003))。この頭部形成は、BMP-3b前駆体タンパク質の不完全な切断がOtx2の発現を誘導し、BMP-3b発現細胞を頭部オーガナイザー細胞へと自律分化させる意外なメカニズムで引き起こされていた。ツメガエルのBMP-3bは脊索前板だけでなく尾部神経板周囲にも強く発現する。ごく最近、この BMP-3b前駆体を切断する酵素が、尾側ほど強く勾配を形成するように発現していることを見つけた。プロセッシング酵素によるBMP-3b前駆体の成熟タンパク質への変換機構が、脊椎動物初期胚のHOXコードの確立に関与しているのではないかと予想し検証しているところである。

日時
2006年7月12日(水)午後13時30分~午後15時00分
場所
JT生命誌研究館
講演者
1.「四足動物、昆虫、陸上植物の陸への進出 ー起源と問題の解決ー」
宮田 隆(JT生命誌研究館顧問)
2.「脊椎動物の上陸に伴う咽頭の形態変化」
岡部正隆 博士(東京慈恵会医科大学 DNA医学研究所 器官発生研究室 室長)
内容

今から3億7000万年前のデボン紀後期、我々の祖先は水から陸地に上がりました。水中から陸上という大きな環境変化に適応するために、彼らは新しいからだの形や様々な生理的機能を獲得しました。どのようにして彼らは新しい環境に適応していったのでしょうか? 化石には残りにくい軟部組織、つまりエラや咽頭、内分泌器官などに着目した進化発生学研究をご紹介いたします。

タイトル
「蝶の蛹の色彩決定に関与する環境要因」
日時
2006年5月10日(金)午後14時00分~午後16時00分
場所
JT生命誌研究館
講演者
平賀壯太(京都大学)
内容

平賀壮太教授は、大腸菌の細胞分裂に関する世界的な研究者ですが、一方で日本産蝶類の最後の生態発見といわれるオオゴマシジミの生態を高校生のときに行ったことでも有名です。アオスジアゲハの蛹の色彩決定に関するユニークな研究についてお話をしていただきました。

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