ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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研究はたくさんの方の協力があればこそ

2015年12月1日

尾崎 克久

先日、今年度の活動報告書を作成しました。この一年で行った内容をすべて全力で書いたらおそらくとんでもないページ数になりますので、目立った進展があったことを抜き出して文章にしていきます。今年度は、アゲハチョウの仲間が食草を認識する時に活躍しているだろうと考えている遺伝子を、数種の間、そして成虫と幼虫の間で比較したことで得られた発見を報告しました。毎年報告書を作成していると、一年間での変化や進捗状況を確認できるので、自分自身にとっても有意義です(労力はかかりますが)。

実験を行うためには、DNAやRNAを抽出するサンプルとして、アゲハチョウのメス成虫を採集して卵を産ませる必要があります。近年は解析するデータの量が増えてパソコンの画面に向かっている時間が長くなってしまったので、実は野外での採集は楽しみの一つだったりもします。当ラボで研究に使っているのは全て国産のアゲハチョウですが、いろんな種を扱い始めると全てを自力で手に入れるのは難しくなってきますし、実験の進展状況によっては採集することが不可能な季節に必要になる場合もありますので、外部の方のご協力を仰ぐことが不可欠です。幸いなことに、野外で採集して送ってくださる個人の方がいらしたこと、伊丹市昆虫館・橿原市昆虫館で飼育中のものを分けていただいたことによって、今年も無事に研究を進めることができました。今年度の報告書に記載した結果の中には、もし必要なタイミングでチョウを譲っていただけていなかったとしたら、来年になって野外で採集できるようになってからやっと実験を始めることができるという状況になっていたと予想されるものがあるので、同様の結果を報告できたのは1年以上先のことになっていた可能性が高いわけです。まさに外部のみなさんのご協力があったからこそのスピード感がある進展でした。ご協力をいただいた皆様、どうもありがとうございました。

今年度の報告書に掲載した興味深いと思う進展があった内容は、外部の方の協力で入手したアゲハチョウに関係するものだったのですが、これは偶然ではないように思います。科学・研究というものは多くの方々に支えられてものなのだと、改めて実感しました。科学の半分はやさ…(以下ありきたりの一言を自粛)

伊丹市昆虫館: http://www.itakon.com
橿原市昆虫館: https://www.city.kashihara.nara.jp/insect/

[ チョウが食草を見分けるしくみを探るラボ 尾崎 克久 ]

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