ラボ日記
ラボ日記
研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【四川大地震雑感】
 
蘇 智慧
 四川大地震が起きて2ヶ月経ちましたが、テレビで伝わってきた数々の悲しい映像が頭からなかなか消えません。今回のラボ日記は、私の故郷で起きたこの「四川大地震」のことを少し書いてみたいと思います。ラボとはまったく関係ない内容になってしまいますが、ご了承ください。
 あと1ヶ月で北京五輪が開催されます。大いに祝うはずだった、この2008年はどうやら、中国にとって災難の年であるように思えて仕方がありません。2008年に入ってすぐに、ほとんど雪が降らない中国南東部に大雪が降り、中国国土のほぼ半分を真銀色に染めました。この雪災害で交通が一時専断され、待ちに待った旧正月は、実家に帰ることができず、駅で過ごした人がたくさんいました。農作物もほぼ全滅だったそうです。この雪災害に続き、列車衝突事故、チベット暴動、それから、2ヶ月前の5月12日、私の生まれ故郷、四川省でマグニチュード8の大地震が発生しました。壊滅的な被害をもたらしたこの地震により、約10万人が一瞬にして命を落としてしまいました。とくに今回の地震で、多くの校舎が倒れ、たくさんの子供たちが瓦礫の下敷きになって幼い命を落としたのは悲しみの極みです。しかし、救助活動の中で現れた人への思いやりや、様々な人間愛が多くの人に感動を与えました。日本の救助隊が瓦礫の下から救出した親子の遺体に対して黙祷を捧げた様子が大勢の中国人を感激させました。現在、今回の地震で命を落とした人を悲しむ、また様々な人間愛を讃える歌や詩が、中国のネットでたくさん流れています。そのうちの1つ、子供たちの命を悲しむ詩をここで紹介したいと思います。この詩を読んで、多くの人が感動を覚え、涙が止まらなかったそうです。

我が子よ
しっかりママの手をつかんでね
天国へ行く道は暗いから
ぶつかるのが心配だよ
しっかりママの手をつかんでね
ママも一緒に歩いていくからね

ママ、怖いよ
天国へ行く道は暗すぎる
ママの手が見えない
壁が倒れて太陽の光が奪われてから
ママのやさしい顔がもう見えない

我が子よ
いってらっしゃい
前の道にもう憂愁がない
ママとパパの顔を覚えててね
生まれ変わったら また一緒に歩こうね

ママ、心配しないで
天国へ行く道は少し混んでいる
でも 友達がいっぱいいるから みんな泣かない
どのママも私たちのママ
どの子供もママの子供
私がいなくて、他の子供に愛をあげてね

ママ、泣かないで、涙の光で道が明るくならない
ゆっくり行かせてね
ママ、パパとママの顔を忘れないから、
約束も忘れないよ
来生、また一緒に歩こうね

 この詩を何回読んでも、やはり涙が出てきそうです。悲しすぎます。私は阪神大震災を、ここ高槻で経験しており、地震の怖さを十分に感じました。今回の四川大地震は実際に体験していないが、近くに故郷の友達や家族・親族が住んでおり、生々しい情報がすべて伝わってきたので、実感したような感覚でした。阪神大震災もそうですが、四川大地震で改めて自然の力の強さと人の命の弱さを感じさせられました。
 自然はいつも自然のままで動き、地震が起きるか起きまいか、人が死ぬか死ぬまいか、関係なく動き続きます。非常に残酷に見える自然ですが、でも考えてみると、人間も自然の動きの中で誕生し、自然の恩恵も多く受けており、自然を構成する一員でもあります。自然災害が起きたと言って、自然を憎むわけにはなりません。自然の歴史からすると、一瞬でしかない人の命が、たくさん奪われたのは限りなく悲しいことですが、最近人間自身が自分の命を粗末にしていることをみると、もっと悲しくなります。今生きていることがいかに大切・大事なのか、今回の災害によって改めて考えさせられました。
※ 私の実家は震源地から少々離れているため、家族などにはとくに大きな被害はありませんでした。



[DNAから共進化を探るラボ 蘇 智慧]
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