ラボ日記
研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【クモがハチに変身!!】
 
小田広樹

 今はもうすっかり冬ですが、11月の終わりに京都にオオヒメグモの採集に行きました。クモが活動を休止する冬の間も実験に使うクモが不足しないようにするためです。オオヒメグモは成虫であっても若虫であっても、冬になって日が短くなると餌を捕ることを止めてジッと動かなくなってしまいます。採ってきたクモは、光を制御できるインキュベータで長日状態(明16:暗8) に保って飼育しています。こうするとオオヒメグモは冬でも成長し続けて、成熟すれば産卵もします。
 オオヒメグモは建物の外壁などの雨をしのぐことができるコンクリートや石の部分を探せば簡単に見つけることができます(多分、玄関の脇とかベランダとかでも見つけられると思います)。私たちはふだん、怪しまれないように大学のキャンパスや神社などでクモの採集をしています。今回は、吉田神社と下鴨神社で採集しました。吉田神社では10個体ぐらいを、下鴨神社では6個体を採集し、1個体ずつジューCのチューブに入れて研究室に持ち帰って、チューブにラベルを付けてそのまま実験室のインキュベータに入れました。次の日、餌をあげようと思ってチューブをインキュベータから取り出したら、下鴨神社で採ってきたクモの入っているはずのチューブ6本のうち3本でクモが見当たらず、その代わりに白い糸で編まれた細長い袋状のものがクモの網にぶら下がっていました。オオヒメグモの卵のうとは明らかに違っていました。取り出して解剖することもできましたが少し恐かった(?)ので、そのまま放置しておいたら、数日後に、小さなハチが出てきました。採ってきたクモにハチが寄生していたのでしょうか? クモはどうなってしまったのか? あたかもクモがハチに変身したかのようでした。


採集してきたオオヒメグモをこのようにしてジューCのチューブで飼っている。


[ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 小田広樹]
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