ラボ日記

研究セクターのメンバーが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。月二回、メンバーが交替で更新しています。

2018年9月3日

オオヒメグモ研究の近況あれこれ

岩崎 佐和

酷暑の候、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。高槻ではまだ日差しの強い日が続いています。このうだるような暑さに負けじと、オオヒメグモの研究も進展しつつあります。少し前になりますが、4月にはData in Briefというデータ雑誌にオオヒメグモ初期胚発生過程のRNA-Seq解析に関する論文が掲載されました。データ雑誌では生物学的な結論ではなく、データセットが正確で利用価値があることを評価して論文が採用されます。オープンアクセスでどなたにも利用していただけますので、よろしければぜひご覧ください。さらに、イギリスのオックスフォード・ブルックス大学の研究チームが前述のデータを利用してクモのHox遺伝子に関する論文を報告しました。BRHから発信されたデータが世界的に活用されていることを嬉しく思います。

最近の実験では、秋山-小田研究員にクモ胚のmFISH(蛍光多重染色)を教えて頂いたおかげで、胚全体の遺伝子発現を1細胞レベルで明確に捉えることができるようになりました。初期胚の形態変化と遺伝子発現パターンの変化について、新しいことがわかりつつあります。こちらも現在論文を作成し始めていますので、お待ちください。もう一つは、今年度新たに導入されたレーザー照射装置XYcloneを用いた胚操作実験に大きな可能性を感じています。これまでガラス管とピンセットを用いて人力で行なっていた胚操作をレーザーに変えることで非常に高い効率で前方重複胚が作出できるようになりました。オオヒメグモの胚がどのように人為的撹乱に対応して調整を行い2つの身体を作り上げるのか、その分子的なメカニズムが明らかになることを期待しています。


前方重複胚

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