中村桂子のちょっと一言

館長の中村桂子がその時思うことを書き込みます。月二回のペースで、1995年5月から更新を続けています。

2017年11月15日

暮らし方に正解はありませんけれど

中村桂子

ある会合でお会いした月尾嘉男さんが「僕は『季刊生命誌』の創刊号から全部揃えて持ってますよ。面白く読んでます。」と言って下さり、しばらく話がはずみました。ほぼ同年代で長い間のおつき合いですから月尾さんと書きましたが、東京大学名誉教授、街づくりが御専門であり、早くからそこに情報を生かすことの大切さを指摘されてきた先生です。AIで自動車が走りまわる時代の先取りをしてきた方ですが、ちょっと意外なことをおっしゃいました。車の免許証を持っていない、というより取得しなかったのだそうです。免許を持てるようになった18歳の時に考え、自動車を運転すると事故を起こし、時に人命を奪うことにならないとも限らない、人の命には責任は持てないと思って止めましたとおっしゃるのです。私は18歳の時、自動車学校へ通いました。父が新しいことが大好きで、当時はそれほど多くはなかった自動車が家にあったのです。月尾さんのように考えることもなく、なんとなく楽しそうだと思って通ったのでした。でも結局免許証はあまり生かしませんでした。最初の頃父に助手席に乗ってもらって運転していた時、細い道から大通りへ出ることを急いで安全確認が足りなかったら父がものすごく怒ったのです。「バカ」と怒鳴られました。それまで大声で叱られることなどなかったので、本当にびっくりしてシュンとなりました。同時に、車はもしかしたら人の命を奪うかもしれないものだと実感し、結局車を使わない暮らし方を選ぶことになったのです。幸い、東京は電車でどこへでも行ける便利さがありますから。月尾さんは、情報の研究をなさりながら、街づくりには先住民の知恵を生かす必要があると言われています。生命誌と重なるところがありますので、またお眼にかかってお話するのを楽しみにしています。

みなさんからのご意見生命誌の広場より

「中村桂子館長のちょっと一言」に寄せての感想

投稿日:2017.10.03 / ニックネーム:相模のラクダ

貴館には いつも お世話になっており、最先端の「生命誌」を学ばせていただき、感謝致しております。10/2の 中村館長様の「科学が社会の役に立つこと」を拝読し、感じたことを述べたいと思います。
◆まず、おっしゃる通り、「ゲノム」は 世界の人々、平等に持っているもので、アメリカの有名な「雑誌」の表紙を飾る「時の富豪」の方も、また、「アフリカの奥地」の ユニセフの 救援が必要な「貧困で飢えた子供たち」にも 平等にあるはずのものです。なのに、世界の人類は、平等性にかけ、各地で紛争、内戦、都市でも 大事件が起き、「格差社会」が存在し、平等で 平和な社会とは 言えません。◆日本は、ある近国の、科学の結晶である:ミサイルに 危機感と 恐怖を いだき、困っています。◆今年も「ノーベル賞」の 発表が 始まりましたが、ゲノムは 世界の人 皆の共有の根源であり「 格差社会」を修正し、科学は 本当は、「ノーベルの意思」の様に「世界平和」:社会の役に立つために使ってほしい。と、館長と同じ意見を感じています。貴館の益々のご発展を祈ります。世界が平和であります様に!

語り合いの続きは「生命誌の広場」へ

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