生命誌の広場

みなさんからのご意見

研究について

コノハムシ

投稿日:2017.09.27 名前:N.Yamashina

橋本さま
 (やや旧聞ですが)以前貴誌(ラボ日記)で「…コノハムシという昆虫は、ジュラ紀の地層にもその化石が見られるということですが、実はジュラ紀に広葉樹は存在しないということで…」という記事を拝見しました(2010)が、最近ネットで「4千7百万年前の堆積物から(出た)コノハムシの最古の化石…」という記述を見かけました('The first fossil leaf insect: 47 million years of specialized cryptic morphology and behavior', "PNAS" January 9, 2007)。「ジュラ紀」は、2億300万年前から1億3500万年前までとのこと、「4千7百万年前」とは大分開きがあります。当該文章の主旨は別として、この件に関しての事実はどちらが正しいのでしょうか?

お返事

投稿日:2017.10.06 名前:表現を通して生きものを考えるセクター平川

平素生命誌研究館をご支援いただきましてありがとうございます。
表現セクターの平川からお返事申し上げます。
季刊「生命誌」86号でコノハムシの紙工作を担当いたしました際にご紹介の論文も含めて、コノハムシの進化について考えました。

ご紹介のPNASの論文は、コノハムシ科に属する昆虫の化石の発見の論文で、4千7百万年前の始新世は、昆虫を餌とする現生の鳥類や哺乳類の多くが現れた時代であり、擬態が進化する環境と言えます。そのころに、現生のコノハムシ科の系統が出現していたことは、生きもの進化と環境の関わりを示している面白い発見です。

一方で、ジュラ紀のコノハムシは、コノハムシを含むナナフシ目の昆虫でコノハムシのような葉状の羽を持っている化石の存在からの推測になります。従って、現生のコノハムシの直接の祖先かどうかまでは、わかりません。しかし、ナナフシ目が環境に応じて、葉のような羽をもつ能力を備えていたことが、現在のコノハムシの出現を裏付けていると考えられます。広葉樹のような植物が出現する以前から持っていたその能力を「前適応」と考えます。

化石は全ての生きものについて見つかるわけではなく、現在の生きものとのつながりも、形態などからの推定になりますが、過去の生きものが、どのような環境でどう生きていたかを含めて考えると生きもの進化の面白さが読み取れるかもしれません。

今後とも、生命誌研究館をよろしくお願いいたします。

1件中 1 - 1件目

考えをお聞かせ下さい。

ご意見はこちら

過去の書き込み

ページの先頭へ