BRH WORKS
みんなでつくる 「生命誌かるた」
6月の絵札公開中!
皆よりたくさんのご応募をいただきました「生命誌かるた」を月ごとに公開していきます。生きものを見つめ、考え、学べるような絵札をぜひご覧くださいませ。
-
詠み人:煌
【根粒菌と窒素固定】
マメ科の植物の根には根粒と呼ばれるコブがついており、中には根粒菌が共生している。この細菌は、植物から光合成産物をもらう代わりに、空気中の窒素から窒素化合物を作り(窒素固定)、植物が使える形にして供給する。
-
詠み人:宇和爾
【アホウドリ Phoebastria albatrus】
大型の渡り鳥で、羽を広げると2mを超える。冬になると繁殖のためアラスカ近海から日本近海へ、海面の気流に乗って高度をかせぎ滑空する「ダイナミックソアリング」で移動する。警戒心が薄く人間にすぐに捕まってしまうことから阿呆鳥と和名表記されるが、滑空する姿は美しく立派であり「沖の太夫」や「沖の尉」とも呼ばれる。
→ 季刊「生命誌」98号 アホウドリと僕の42年間 長谷川 博
中村
アホウドリの研究を長い間なさっている長谷川さんが実態を表わす名前として考えられたところが素敵です。
永田
アホウドリの別名「沖の太夫」って知ってましたか?「太夫」は「たゆう」。最高位の芸妓さんなどを指します。あの優雅な姿はたしかに「阿呆鳥」と呼ぶよりふさわしいかも。
齊藤
この粋な名前をぜひ伝えたい。
-
詠み人:マーサ
【ツバメと商店街】
「人が住む環境に営巣する」という習性は、ツバメからすれば「外敵から身を守るため」。商店街のにぎわいがなくなりつつある現代、商店街での巣営は減少しているという。逆に増えているのは集合住宅。人のライフスタイルに合わせて、ツバメも子育ての場所を変えていく。
村田
これは日本各地で見られる風景ではないでしょうか。燕は世代を超えて、毎年、同じ家に帰ってきます。現代人が暮らす町は何世代続いているでしょうか? 人工と自然との関わりを捉え直すきっかのひとつのような気がします。
-
詠み人:Y.S.
【猫の舌】
ネコの舌表面のザラザラの正体は、糸状乳頭と呼ばれる突起。毛づくろいや、骨から肉をこそげとって食べるのに役立つ。とくに酸味と苦味に敏感なのは、腐敗した肉を避けるためとも言われる。イエネコも完全肉食動物のハンターなのだ。
永田
あのブラシのようにざらざらの舌で舐められるのは、猫好きにはたまらないところ。このザラザラは、毛づくろいをするにも便利、最近は、体温調節に役立っているという説もあるそうです。
村田
根粒菌と共生するマメ科植物の賢い知恵ですね。