つながりの中の人間
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細胞とは何か?
生きているとはどういうことか?
生きものはどれも、その生きものに固有の歴史を誌すゲノムの入った細胞を基本に生きています。細胞の特徴は、膜で外と内とを分け、その中に遺伝情報をもち、いろいろな物質や栄養を代謝し、自分と同じものをつくり、さらに進化することです。一方ウイルスは、膜や殻でできた境界の内に遺伝情報をもつものの、単独では代謝も自己複製もできないため、生きものではないとされてきました。しかしウイルスは、感染した細胞の中で代謝し、増殖し、そして進化もします。ウイルスが生きものであるか否かの定義はともかく、その存在は、私たち人間を含む生きもののつながりの中にあることは確かです。そこで今号では、改めて「細胞とは何か」という基本から「生きている」ことを考えます。
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RESEARCH & PERSPECTIVE
細胞の進化・
生きものの条件
地球上に広く生息する単細胞生物の研究から、生きものの歴史や普遍性を物語る新たな知見が得られています。また人間が作った「人工細胞」から、生きものとは何かを探る研究も進んでいます。そこで改めて、すべての生きものに共通する細胞がもつ4つの特徴「膜」「代謝」「自己複製」「進化」から生きものを考えます。
しっぽの生命誌❸
鳥の仲間
ツバメ
イヌがしっぽを元気に振る様子や、セキレイが長い尾を上げ下げするのを見ると、しっぽが心を表しているようで、私たちにもしっぽがあればとうらやましい気持ちになりませんか。
おまけのようにも思えるしっぽですが、実は、生きものの多様な暮らしをとてもよく表しています。しっぽのある生きものをつくり、端っこに宿る知恵を身近に飾りましょう。
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