つながりの中の人間
私たちの体をつくるゲノムのはたらく姿
自然界は縦糸を共通性に、横糸を多様性に織り上がる世界と言えます。そして人間は自然の一部、生きものの一つです。今回はヒトを含む脊椎動物、更に節足動物や軟体動物を含む左右相称動物が共通にもち、多様な体の形づくりにはたらくHox遺伝子群の最新知見を取り上げます。遺伝子とは、DNAがもつ性質のうち情報という側面に注目した捉え方で、DNAは同時に長いひも状の分子実体、物質としての性質をもちます。細胞の中、核の中で、遺伝子は、ゲノムはどのようにはたらくのか? ダイナミックな分子の相互作用を捉え、情報と物質の両面からゲノムの姿に迫ります。
巻頭トークは、「科学する心」溢れる永田館長と吉田顧問、近藤顧問が語り明かす「生命誌研究館のこれから」。紙工作は「しっぽの生命誌」の第二弾トビハゼ。オンラインで展開する館の催し、Webで楽しむ生命誌いろいろです。9月のシンポジウムもご期待ください。
SPECIAL TALK 生命誌研究館のこれから
「問い」をもち続けるために
研究館館長
RESEARCH & PERSPECTIVE
ゲノムの形と
生きものの形
近年、ゲノム解析に加え、生体内の個々の細胞や、分子の動きまで捉える観察や実験が可能になったことで、細胞の中でゲノムがどのようにはたらいているのかを詳細に理解することができるようになってきました。そうした新しい知見に基づき、私たちヒトを含む動物の体の形をつくるHox遺伝子クラスターのはたらきを改めて考えます。
しっぽの生命誌❷
サカナの仲間
トビハゼ
イヌがしっぽを元気に振る様子や、セキレイが長い尾を上げ下げするのを見ると、しっぽが心を表しているようで、私たちにもしっぽがあればとうらやましい気持ちになりませんか。
おまけのようにも思えるしっぽですが、実は、生きものの多様な暮らしをとてもよく表しています。しっぽのある生きものをつくり、端っこに宿る知恵を身近に飾りましょう。
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