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第3弾 音楽で描く生命誌絵巻生命誌の広がり

38億年の生きものの歴史を誰もが関心を持てるように表現する試みの基本は「生命誌絵巻」です。これが眼からなら耳からも大事、音楽もと考えて作ったのがプロコフィエフ作曲「ピーターとおおかみ」とサンサーンス作曲「動物の謝肉祭」の生命誌版。「ピーターとおおかみ」ではおおかみの代わりに恐竜、更にはダーウィンさんも登場し、最後に地球上の生きものすべてが行進します。謝肉祭のゾウの踊りでは滅びたマンモスを思い出します。

学校からの依頼もあり、今年は東山小学校(東京渋谷)でピーター、城南中学校(高槻市)で謝肉祭です。ピアノとマリンバ。面白いのは、演奏して下さる方が、本物よりこちらの方がピンときますと楽しんで下さることです。音楽での生命誌、広げて行きたいと思っています。

【8号Science Opera】生命誌版「ピーターと狼」—プロコフィエフと私 中村桂子

生命誌版「ピーターとオオカミ」創作の模様を中村館長(当時副館長)が語ります。この音楽を誕生年を同じくする思いをぜひ知って下さい。

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音楽と科学をつなぐ生命誌 ー生命誌アーカイブよりー

科学にも音楽にも、「部分の要素の分析」と「全体に対する直感」という二つの捉え方があります。音楽では美しいハーモニーや、心地よいリズムや、噛み合った旋律を分析することもできますが、美しい音楽を聴くと誰もが直感で美しい、と感じられます。一方、生命科学では化学反応のしくみや、分子の立体構造や、遺伝子のはたらきを分析することができますが、生きもの全体を見渡したときに、誰もが直感で美しいと感じるところがあります。生命誌では科学を文化として捉え、誰もが美しさを感じられるような表現の試みに挑戦しています。
まだまだ音楽から学ぶことはたくさんあります。
どうぞ皆さんもご一緒に考えてみて下さい。

【COLUMN】音楽を知る

コラム 岡田節人の音楽放談(連載)

生物学に詳しい音楽家とまで言われた岡田節人名誉顧問が19回にわたり、思いのままに音楽を語った名エッセイです。音楽も科学も優れた知であることが浮かび上がります。

【TALK】音楽と科学が語り合う

7号Talk 大友直人 × 中村桂子「一瞬に込められた長い時間」

科学と音楽は、共に明治の始めに西洋から本格的に取り入れた文化です。日本各地の交響楽団と共演してきた指揮者の大友直人さんと、「科学のコンサートホール」生命誌研究館を立ち上げて科学の演奏に挑戦する中村桂子との語り合いの中から、音楽と科学の共通点が浮かび上がります。

【TALK】音楽と生命誌をつなぐ

56号Talk 藤枝守 × 中村桂子「音の響きにいのちのつながりを聴く」

ピアノの音は平均律と言われ世の中に広く浸透していますが、音の種類は多様に存在します。時間を必要とするという点で共通の生命誌と音楽。いのちを奏でる楽しさ作曲家の藤枝守さんと中村桂子が語り合います。

【TALK】音と関わる生きる

49号Talk 大橋力 × 中村桂子「音は身体全体で感じている」

聴覚は視覚に比べとても複雑であり、耳はいつも聞いている。進化を考えると聴覚は非常に根源的で脳内のはたらきもそれを反映します。現代社会での音との関わり方を語り合います。

【RESEARCH】音楽を感じる

6号Research バリ島・ガムランの秘密 陶酔の生物学:河合徳枝

青銅のオーケストラと呼ばれるガムランが多くの人々を魅了するのはなぜか。解析の結果、他の音楽とは比べものにならないほどの生理的な快感を巻き起こす力があることがわかりました。

【RESEARCH】ことばを音として考える

49号Research テナガザルの歌からことばの起源を探る

他の動物と大きく異なる人間の特徴のひとつが「ことば」を持つことです。「ことばの進化」は化石では残りません。言葉が生まれ進化してきた様子を知る手がかりは、他の動物の中にあります。類人猿の中で最も複雑な声を出すと言われているテナガザルの研究が興味深い手がかりを見せてくれます。