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館長からの手紙

一〇一号。この数字にはちょっとワクワクします。一〇〇号という区切りを経て最初の一号、気が引き締まると同時にこれからへの期待が高まります。一〇〇号では一三八億年前に生まれた宇宙に、四六億年前に生じた地球、そこで三八億年前に生まれた生命、そして二〇万年前に誕生したヒトという時間の中にいる「わたし」を考えました。今回は、宇宙・地球・生命・人間という階層がつくる空間の中に「わたし」を置きました。二つを並べて「わたしの今いるところ、そしてこれから」を考えていきます。

そこで、生命誌が大事にしている「私が本当に重要だと思うことを考え続ける」の実践者であるお三方に、生命と人間について伺いました。手軽に答の出る問いではありませんが、お話の中に確実な一歩の踏み出しを感じます。私もこの道を歩もうと思います。

ホームページを刷新しスマホでも見やすくしましたので、語り合いの場に小さなメッセージをたくさんお入れください。皆さまとの語り合い、更には遊びを求めて「生命誌かるた」づくりが始まりました。楽しいアイデアをお待ちします。まだまだお話したいことがあるのですが・・・。またお手紙します。

お寒さの折お大切にお過しくださいませ。

二〇一九年十二月二五日

中村桂子

SPECIAL STORY

生きものの
つながりの
中の人間

生命誌のこれから
「生きものとしての人間」の基本となる考えが、この30年でどのように展開してきたのか、改めて考えたくなりました。「宇宙でも通用する普遍的な生命」を追う金子さん、「ゲノムに刻まれた細胞と身体」の歴史を見通す倉谷さん、「言語の構造から現れる人間」を読み解く酒井さん、3人の方の研究の語りに耳を傾けると、私たちの中にある「生きものとしての38億年」と「言葉をもつ人間としての6万年」が重なってきます。「生きもののつながりの中の人間」を考えるときに大切な手がかりがここにあります。
  • 物理に宿る生命の紡ぐ物理学
    金子邦彦
    東京大学大学院
    生物普遍性研究機構 教授
  • 21世紀の比較発生学的世界観
    倉谷 滋
    理化学研究所
    生命機能科学研究センター チームリーダー
  • 人間の想像力を科学する
    酒井邦嘉
    東京大学大学院
    総合文化研究科相関基礎科学系 教授

SCIENTIST LIBRARY

中村桂子JT生命誌研究館館長

科学と日常の重ね描きを(後編)
「生命誌研究館」この6文字の言葉にこめた思いを実現させたいと動き始めてから30年がたちました。小さな場ですが、世界中でここにしかない空間ができた、今はそう思っています。

生命誌のステージ

わたしの中の自然、
自然の中のわたし

「わたし」を中心に、自然のさまざまな構造を、
ミクロとマクロの二つの視点から捉えます。

INVITATION

生命誌からのお誘い新しい知のあり方を求めて

  • 01
    みんなでつくる
    「生命誌かるた」
    かるたづくりを始めました。あなたの句をお待ちしています。遊びの輪の広がりを楽しみに、指折り数え17文字を紡いでいます。
    五・七・五を募集します
  • 02
    『生命誌の思い―100の対話― 』
    プレゼント
    読者の皆さんと語り合う手がかりとして、これまで季刊「生命誌」に掲載した99人の方々との対話のエッセンスを一冊の文庫本にまとめました。

CARD

記事のエッセンスが詰まったカード型の読みもの

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シンポジウム

5/18(土)13:30〜15:45

虫の会(拡張版)第三回 「ピン留め」と「退縮」で作る昆虫の鋭い構造