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生命誌ジャーナル

カードでエッセンスを楽しみ、全文はWEBで読むというユニークな組み合わせの季刊誌です。

季刊「生命誌」100

わたしの今
いるところ、
そしてこれから

ポップアップ紙工作

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高槻で「生命誌研究館」の活動を始めたのが1993年6月です。26年がたち、季刊「生命誌」は100号になりました。この間の活動を振り返ると二つのことが見えてきます。一つは、「生命誌研究館」として思い描いたことを具体化し、新しい知の形をつくり出したという実感です。山ほどのおかげさまあってのことです。ありがとうございます。二つめは、この四半世紀に学問も社会も大きく変化し、それを踏まえた新展開が必要ということです。人工知能、ゲノム編集などの新技術の中で激しい競争を求められています。「人間は生きものであり、自然の一部」という基本を大切に、生命誌を「ほんとうの幸せ」のある社会につながる知にしていかなければなりません。

 「わたしの今いるところ、そしてこれから」というタイトルに、この思いをこめました。138億年という時間の中で生まれてきた宇宙・地球・生命・人間についての科学を踏まえ、その中の「わたし」はどう生きるのか。ポップアップを開きながら考えるお仲間になって下さい。

 100号では、「これから」を考える素材として、「これまで」の季刊誌の「トーク」と「リサーチ」をまとめました。「トーク」にご登場いただいたさまざまな分野の99人。これだけの方が生命誌を一緒に考えて下さったのです。その広がりと深さは素晴らしく、生命誌の宝です。「リサーチ」は、BRHでの研究、季刊誌で紹介した研究を生命誌研究の歴史の中に置きました。オサムシに始まる研究の流れを感慨深くふり返りながら、小さな生きものを見つめる研究を基盤に考えることの大切さを改めて感じています。これからを意識し、「ヒト」も含めて考える生きもの研究の展開を紹介しました。「サイエンティスト・ライブラリー」はBRHの始まりまでの物語をお伝えします。

 紹介で紙幅が尽きましたが、100号という区切りに思い切り考えましたというご報告です。今年の夏の暑さはどうでしょうか。お大切にお過ごし下さいませ。

2019年6月15日

中村 桂子

TALK

100の対話
『生命誌の思い』

動詞を語る・動詞で考える

創刊号から99号まで、四半世紀の対話の蓄積を
「言葉」「心」「想像力」「自然」「地球」などの切り口から、今、捉え返します。

読む

RESEARCH01

生命誌研究のこれまでと今

生命誌研究は、Evo-Devo-Eco(進化・発生・生態系)を軸に進められています。
26年間の研究と季刊「生命誌」の記事による「これまで」と、現在の研究者の声で綴る「今」を次へと続けます。

はじめに

RESEARCH02研究室再訪

生きもの研究の
広がりと
生命誌のこれから

さまざまな生きもの研究者とともに考えてきた26年を踏まえ、
これからは「生きものとしての人間」というテーマに取り組みたいと考え、これまでに話を伺った3名の方の研究室を訪ねました。

はじめに
 

SCIENTIST LIBRARY

JT生命誌研究館館長中村桂子

科学と日常の重ね描きを(前編)

読む

科学の演奏法探しの26年

100号になりました。季刊「生命誌」は音楽などの文化を最新の科学と同居させ、新しい知の表現を試みる冊子として、開館と同時に創刊されました。以来多くの方のお力を借り、多様な分野に関心を広げてきました。100号分のアーカイブは、私たちの活動の柱です。読者の皆様にも心から感謝いたします。

私たちは研究を総合し、心に届く作品として表現することで新しい知の創成を試みてきました。その軌跡は、季刊誌に加えBRHの展示ホールに凝縮されています。細胞や進化を切り口に、生きものの全体像を見渡す展示や映像が並び、人間や自然全体への考えが深まるホールです。科学と日常をつなぐ知を表現した空間を、これからも育てていきます。

季刊「生命誌」50号(2006年)で、人工の世界と自然の世界を並べ、「わたし」の中で両者を重ね合わせる生命誌の世界観を描きました。100号では自然の世界が人工の世界を包み込むポップアップをつくりました。自然と人工をつなぐところにいる「わたし」のこれからがとても重要です。生きものの一つとしての人間を知り、生き方を考える表現を模索していきます。

(表現を通して生きものを考えるセクター)

BRHカード

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季刊「生命誌」のこれからに向けて

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