詳細
日時
2005/11/19(土) 14:00〜15:30
場所
JT生命誌研究館1Fコンファレンスルーム(入館無料)
出演者
佐々木剛 研究員
(DNAから共進化を探るラボ)
参加方法
※参加無料
※事前申込不要
内容
昆虫は陸上に適応して非常に多様な種を生み出したグループです。多くの種が翅を持ち空を飛び、翅を退化させたものや水中に進出したものもいます。わたしたちはこのように多様な昆虫の起源を探るために、昆虫の親戚である他の節 足動物との関係を明らかにしようとしています。
節足動物にはクモ・カブトガニなどの鋏角類、ムカデ・ヤスデなどの多足類、エビ、ミジンコなどの甲殻類と、六脚類(昆虫)の4グループあります。昆虫の起源に関しては、
(1) | 六脚類は他のどのグループと近縁なのか。 |
(2) | 六脚類はひとつの祖先から多様化したグループなのか。 |
という2つの大きな問題があります。(1)の点に関しては、最近の分子データによる解析から、六脚類は甲殻類と近縁であることが明らかになってきました。(2)の問題を言い替えると、無翅昆虫は有翅昆虫と共通の祖先をもつのか、「昆虫」と呼んでもよいのかどうか、ということになります。まだはっきりし た答えは出ていませんが、現在研究を行っています。
今回のレクチャーでは、分子データ(DNAの塩基配列)に基づいて系統樹(過 去に起きた進化)を推定する方法と、昆虫の起源の解明に向けて現時点のデータから分かることを交えて、お話ししたいと思います。
翅のない虫たち。全てを昆虫と呼んでよいのでしょうか? |
レクチャーについて
JT生命誌研究館の研究員をはじめとするさまざまな分野の研究者が、探究と発見の日々をお話します。
進行形の研究、そこで考えたこと、苦労話など研究を身近に感じる絶好の場です。
レクチャーを聞いた後には、会場も一体となって話の輪が広がります。入場無料です。