1. トップ
  2. 催し
  3. 生物どうしの関わりと「種分化」

研究員レクチャー 生物どうしの関わりと「種分化」

詳細

日時

2009/3/14(土) 14:00〜15:30

場所

JT生命誌研究館 1Fカンファレンスルーム(入館無料)

出演者

楠見淳子 研究員
(DNAから共進化を探るラボ)

参加方法

※参加無料
※事前申込不要

内容

 種分化のメカニズム、つまり、新しい「種」がどんなプロセスで形成されるのか?という問いに関して、ダーウィン以来、多くの論議が重ねられてきました。最近では、分子生物学の進展とともに、この分野でも分子レベルの研究が報告されるようになり、あらためて種分化の問題が注目されるようになってきています。厳密にいうと、生物学的な意味での「種」とは、お互いに生殖可能な(継続して子孫を残していくことのできる)生物のまとまりのことを意味しますので、ここでの「種分化」とは、本来生殖可能な一つのまとまりだったものが、何らかの原因で、互いに生殖不可能な複数のまとまりに進化すること意味します。この何らか原因を明らかにすることが、種分化研究の大きな目標のひとつと言えるでしょう。
 イチジク属植物とイチジクコバチ類は、密接な共生関係を持っており、それぞれの進化が相互に影響しながら進行してきた(共進化)と考えられています。また、共通して種多様性に富んでいることも大きな特徴で(イチジク属植物は約750種、イチジクコバチ類は約300種が知られています)、種分化を考える上でも興味深い対象です。生物どうしの相互作用の進化が種分化にどのように関わっているのか? それは種分化の原因となりうるのか?という疑問を解く鍵を握っているのではないかと考え、研究を進めています。
 本レクチャーでは、イチジク属植物とイチジクコバチ類の種分化メカニズムの解明に向けた最近の取り組みについてお話します。

館内の催しについて

研究のお話を聞いたり、実験を体験したり、生きものを観察したり、研究員と直接語り合ったり、子供から大人までどなたにも驚きと発見が待っています。参加無料です。