詳細
日時
2010/01/16(土) 14:00〜15:30
場所
JT生命誌研究館 (入館無料)
出演者
楠見淳子 研究員
(DNAから進化を探るラボ)
参加方法
※参加無料
※事前申込不要
内容
ゲノムの倍数化というと何か特殊なことのように感じられるかもしれませんが、植物では自然界で非常に多くみられる現象です。ゲノムの倍数化により、3組以上のゲノムのセット(染色体組)をもつ個体である倍数体が生じます。身近なものでは、タンポポ、ノギク、ヒガンバナなどが知られており、コムギ、ジャガイモ、アブラナといった日常的に私たちが食している野菜、果物、穀物の中にも倍数体は多くみられます。植物の倍数体は、人為的に作成することが容易なため、育種にも多用されているのです。また、雑種形成も自然界で頻繁に生じており、品種改良の技術として利用されています。倍数化や雑種形成により、新しい組合せのゲノムのセットをもつ個体が作りだされると、その中に親株とは異なる新しい形質を持った個体が誕生するわけです。新しい形質をもった個体が即座に種として確立するわけではないのですが、植物ではこのようなプロセスを経て種分化している例が多いようです。最近では、分子生物学の進展とともに、倍数化、雑種形成を介した種分化に関する分子レベルでの研究が次々と報告されています。
本レクチャーでは、最近の研究例を紹介するとともに、私達が研究しているイチジク属植物での例をお話しします。
レクチャーについて
JT生命誌研究館の研究員をはじめとするさまざまな分野の研究者が、探究と発見の日々をお話します。
進行形の研究、そこで考えたこと、苦労話など研究を身近に感じる絶好の場です。
レクチャーを聞いた後には、会場も一体となって話の輪が広がります。入場無料です。