詳細
日時
2010/07/17(土) 14:00〜15:30
場所
JT生命誌研究館 (入場無料)
出演者
小田広樹 研究員
(ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ)
参加方法
※参加無料
※事前申込不要
担当
小田広樹 室長 (ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろう 細胞・発生・進化・研究室 )
内容
ハエとクモは同じ節足動物であり、からだの基本的構成は非常によく似ています。直感的には、似たような形態であれば、同じような仕組みで形成されると思いがちです。ところが、ハエとクモの間には想像以上に大きな仕組みの違いがあることが分かってきました。今回のレクチャーでは、胚の中でからだの繰り返し構造(体節とよぶ)が生み出される仕組みに注目してハエとクモの違いを紹介します。
ショウジョウバエでは、胚の中で核だけが分裂して細胞質がすべてつながった多核性胞胚という特殊な状態で体節形成の遺伝子のネットワークが働きます。それに対して、私たちのオオヒメグモを用いた研究では、細胞間の話し合いを介した遺伝子ネットワークによる、新しいタイプの体節形成が見つかりました。割り箸を割くように体節の数が増えます。ショウジョウバエだけなく、他の動物でも見つかっていない体節形成の様式です。この体節形成の仕組みについて詳しくお話しします。
このイベントを開催する研究員をご紹介
小田広樹 (室長)
- 研究分野 発生生物学、細胞生物学
- 学位 博士(理学)
動物多様化の背景にある細胞システムの進化に興味を持っています。1) 形態形成に重要な役割を果たす細胞間接着構造(アドヘレンスジャンクション)に関わる進化の研究と、2) クモ胚をモデルとした調節的発生メカニズムの研究を行っています。
レクチャーについて
JT生命誌研究館の研究員をはじめとするさまざまな分野の研究者が、探究と発見の日々をお話します。
進行形の研究、そこで考えたこと、苦労話など研究を身近に感じる絶好の場です。
レクチャーを聞いた後には、会場も一体となって話の輪が広がります。入場無料です。