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  3. 季刊「生命誌」123号

2025.12 発行

今号テーマ

地球というわたしたち

生命の性質は、地球と密接に関わっています。宇宙から降り注ぐ光、地球の内側から溢れるエネルギー、地球に生まれた生きものはこの舞台の上で、変化をし続けて現在に至ります。パースペクティブでは陀安一郎先生が元素の同位体という解像度から生命と地球の物質循環を見つめます。北極から南極へ移動する藻類、太古の海は一体どんな色だったのでしょう。原始の多細胞動物から生きものの進化を探求する研究者は今何を思うのか、アカデミアで語り合います。サイエンティストライブラリーは、プラナリアから再生の可能性を広げた阿形清和先生です。謎解きの楽しさを語り合うのは近藤滋先生と永田館長。最後のピンタゾウガメの声に耳を傾け、今こそ共に地球に生きる道を考える時です。

背景図:同位体地図(元素同位体比の地理的な分布。降水中の酸素同位体比の例を示す。)
Terzer et al. 2013 より改変 / modified after Terzer et al.Hydrol. Earth Syst. Sci.

LECTURE & TALK

生命科学から味わう
謎解きの楽しさ

ー面白い「問い」に出会うにはー
近藤 滋国立遺伝学研究所所長
永田和宏JT生命誌研究館館長
公開シンポジウム 原始多細胞動物の世界 ゲノムと実験研究から迫る未踏の知

現在の地球で繁栄している動物の多細胞体制のしくみはどのように始まり、多様化したのでしょうか?その発展のもととなる原始の多細胞動物について、3名の研究者が考えました。

  • 小田広樹 JT生命誌研究館
    大阪大学大学
    院理学研究科

  • 船山典子 京都大学
    大学院 理学研究科

  • 菅 裕 県立広島大学
    生物資源科学部

RESEARCH & PERSPECTIVE

地球というわたしたち

生命の性質は、地球という惑星の性質と深く関わっています。太陽や地球の膨大なエネルギーと上手に付き合ってきたからこそ、生きものは40億年続いてきました。生きものは地球の最大の特徴です。

はじめに

SCIENTIST LIBRARY

阿形清和基礎生物学研究所・京都大学 名誉教授

再生研究に魅せられて青年は京都をめざす
PAPER CRAFT 絶やすのはたやすい消えた動物

ピンタゾウガメ

ピンタゾウガメは、ガラパゴス諸島ピンタ島の固有種のゾウガメで、2012年に飼育されていた最後の一頭「ロンサム・ジョージ」の死によって絶滅しました。最大200キロの巨体で飲まず食わずに耐えるので航海の食料として狩られ、家畜に棲家を荒らされ数を減らしました。島々では今、ゾウガメ再生の活動が進んでいます。

PAPER CRAFT
ステラーカイギュウ
PAPER CRAFT

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