3. オアシスの四季を彩る蝶たち

都市の中のオアシスではたくさんの種類の蝶が見られます。蝶を見つけたら、何をしているのか観察してみましょう。蜜を吸っていたり、求愛行動や産卵などの場面に出会えるかもしれません。

冬:成虫越冬するムラサキシジミ
ムラサキシジミのメス蝶
越冬蝶でも真冬にはなかなか見ることができません。普通蝶が飛びだすのは摂氏18度といわれています。この日、2004年1月3日は異常に温かく、ゼフィルスの森の縁のササの上、昼下がりの陽溜まりは軽く20度を超えていました。
春の初め:求愛行動するキタテハ
キタテハの雌(左)雄(右)
越冬蝶の多くは春暖かくなると配偶者を求めてまだ緑の少ない原っぱに現れます。この二匹は互いに相手のまわりをくるくる回りながら10分ほど遊んだ後つれ立って枯れ草の中に身を隠してしまいました。
春の盛り:短い命を謳歌するツマキチョウ
春一番に、2−3週間ほどしか見られない蝶に出会う時ほど嬉しいことはありません。ツマキチョウは数年に一度くらいしかこの地域では出会えないのです。タネツケバナなどの十字花植物をたべるこの蝶は河川の土手などで見られます。
初夏:ゼフィルスの森と原を彩る3種類のゼフィルス
5月の末から7月初めまで、ゼフィルスの森は3種類のシジミチョウの妖精たちでにぎわいます。写真のアカシジミは3種類のなかで最初に現れます。止まってる時は翅を広げることは全くなく、いくら近づいても逃げないのです。
夏:希少種のシルビアシジミ
ミヤコグサ(写真はセイヨウミヤコグサ)を食草とするシルビアシジミは、カタバミを食べるヤマトシジミの近い仲間です。ミヤコグサが多いこの地域でも珍しい種であり、10年間で一度の貴重な出会いを撮ることができました。最近シロツメクサに食草を転換して、伊丹国際空港の河川敷に発生が確認されており、今後の生態が気になります。
秋:渡りの途中訪れたアサキマダラ
春に南の国から渡ってきて、本州の各地で2世代、キジョランを食べて世代を重ねた蝶が、祖先の越冬地を求めて南下します。その途中エネルギー補給のために立ち寄った蝶を、セイタカアワダチソウが迎えています。
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