中村桂子が旅をします。
大阪、東京、そして東北へ
そこで、自然に目を向けて、大切なことを忘れずに
暮らしている人々と語り合います。
震災の前に、東京から岩手へ移りました。この土地の人々の暮らしを、毎日毎日、見ていると、なんと慎ましく、勤勉なのだろうと感動します。
風を、あたかも見えるかの如くに…
僕は、いつも自然から、風や光を頂いて、作品をつくります。
その究極が「呼吸する大地」っていうプロジェクトなんです。
僕が、一生懸命、考えていることは、「自然の中にいるのと同じ居心地の良い建築を、いかにつくれるか?」技術は、自然との親密さを取り戻すためにあるのです。
「生きとし、生けるもの、すべてのいのちのために…」海山の間で暮らす東北の人々には「いのちを巡る思想」が強固にありますね。だから耐えられる。
生きものって、時間を紡ぐ存在ですね。僕は、人類拡散5万3千キロの道のりを縦糸に、寄り道を横糸に、織物を織るようにして、旅を続けてきました。
ゴーシュは水車小屋で、水をゴクゴク飲む。すると自然の中に入れて、動物たちとつながり「いのちの音」をもらいます。
1936年東京生まれ。東京大学理学部卒。理学博士。
三菱化成生命科学研究所、早稲田大学人間科学部教授などを経て、現在、JT 生命誌研究館館長。生命誌の提唱者。主著に『自己創出する生命』『生命科学から生命誌へ』『科学者が人間であるということ』ほか多数。