アクチビン(10 ng/ml)とレチノイン酸(0.1 mM)で3時間処理し、4日間培養したものです。アニマルキャップから作った初の人工の器官です。
アクチビン(100 ng/ml)とレチノイン酸(0.1 mM)で処理したものです。誘導した膵臓組織は、インスリンやグルカゴンを産生していました。上段は正常胚の膵臓、下段はアニマルキャップから作った膵臓。
アクチビン(100 ng/ml)で処理し、7日間培養したものです。心臓の中は、心房と心室ができてきています。
発生に伴ってそれぞれの遺伝子が、順序よく、ドミノ倒しのように次々と発現します。一番初期に発現するHMG2、GATA4、NKx2.5などは、心臓形成に必須のマスター(鍵)となる遺伝子です。
多くは、ツメガエルと同じ遺伝子(赤字)が働いていることが分かります。
もともとあった心臓を除去した後に、人工的に作った心臓を移植しても、拍動して機能しています(矢印)。
心臓が無い腹側に、作った心臓をしても(黄色の矢印)、もともとあった心臓(赤色の矢印)と同調して拍動します。試験管内でつくった心臓が、生体内でも働くことが証明されました。
正常胚から発生した幼生の眼球と同じように(上の写真)、アニマルキャップから作った眼球にも水晶体、神経性網膜、色素性網膜が観察できます(下の写真)。
移植した眼球からは、中枢神経に向けて神経(赤色)が延びています(左上の写真)。光を当てると体色が茶色に変化することから、変態して成体になった後も眼球が機能している事が分かります(左下の写真)。両眼球を除去した個体では、光を当てても反応しません(右下の写真)。
アニマルキャップをアクチビン(100 ng/ml)で処理し、短時間おいた後に別のアニマルキャップでサンドイッチ状にくるむと胴尾部が出来ます(上の図)。長時間おいた後に行うと、頭部ができます(下の図)。
正常胚から発生した幼生の頭部と胴尾部と同じように(上の写真)、作った頭部にも脳と眼球やセメント腺が見られます(左の写真)。また、胴部にも後脳、耳胞、消化管が(中央の写真)、尾部にも脊髄、脊索、消化管が見られます(右の写真)。
アクチビンの濃度勾配を人工的に作り、アニマルキャップを培養します。
アクチビンの濃度勾配によって、正常なオタマジャクシの幼生に良く似た人工のオタマジャクシを作ることが出来ます。外形からも頭尾軸、背腹軸、左右軸など生き物の形ができています。
アクチビン処理すると、脳、耳胞、脊髄など、頭部から尾部に至るまで全ての器官が出来ています(左の写真)。アクチビン処理しないと、不整形表皮のままで分化しません(右の写真)。
ツメカエルのアニマルキャップと同じように、アクチビンとレチノイン酸で処理することによって、マウスのES細胞から膵臓などが作られます。作った膵臓は、インスリンやグルカゴンを分泌することが確かめられました。矢印は、膵臓の腺構造を示しています。右の映像は出来てきた腸管(黄色の矢印)と膵導管(赤の矢印)と膵臓(黒の矢印)です。
マウスのES細胞から作られた気管の上皮細胞層には繊毛細胞も出来ました(右の写真)。正常な気管(左の写真)と同じように、繊毛(矢印)が数多く観察できます。
組織の断面図を観察すると、繊毛が数多く生えています(上の写真)。繊毛の断面を水平方向(左下の写真)あるいは垂直方向(右下の写真)から観察すると、バクテリアからヒトまでが共通にもつ9+2の微小管構造が観察できます。
アニマルキャップ(未分化細胞)からアクチビンの濃度依存的に様々な器官形成でき、アクチビンとレチノイン酸の2つの因子の組み合わせで前腎や膵臓もできます。さらに、アクチビンで処理した後、未分化細胞と一緒にサンドウィッチ法により頭部や胴尾部ができ、濃度勾配によって幼生型までもできる。