カードを楽しみ、細かな内容はWEBで読むというユニークな組み合わせの季刊誌です。

2016年間テーマ ゆらぐ 89号
年刊号

心も細胞も地面もゆらぐ中で

 静謐だからこそ心を揺さぶられてきた内藤さんの作品が、東日本大震災後小さな白い《ひと》として現れ、これまで以上に惹きつけられました。光の中での語り合いは幸せな時でした。リサーチは細胞のはたらき。柔軟な免疫細胞と壁をもつ植物細胞というまったく異質の細胞が、関わり合いの中で個体を支える動きを見ることで、細胞のはたらきの実態を追います。サイエンティスト・ライブラリーも免疫。坂口先生の発見された制御性T細胞は、まさに生きものの揺らぎを見せてくれます。研究評価が揺らぐ過程も興味深いところです。紙工作のゲノム展はこれで半分でき上ります。これからの展開を想像しながらお楽しみください。九州での地震が続く中での発刊です。生命誌に何ができるか考え続けます。

※季刊『生命誌』BRHカードの紙工作に関するお詫びと訂正
6月1日発行のBRHカードの紙工作の記述に一部誤りがありました。「ゲノムの比較部分」の凡例および原核細胞の「RNAポリメラーゼII」は、正しくは「RNAポリメラーゼ」です。読者の皆さまにはご迷惑をお掛けしましたことをお詫びするとともに、ここに訂正させて頂きます。

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2016年間テーマゆらぐ 今年の動詞は「ゆらぐ」です。生る、関わる、続くなど生きもののありようを示す動詞を考えてきた中で、常に頭の片隅にあった言葉です。一見マイナスに見えますが、実は、生きものが長い間続いてきたのは、「ゆらぐ」という現象があったからです。DNA→RNA→タンパク質という基本的な情報の流れにさえ、ゆらぎがあります。すべてが決まりきっていたら、進化もなくどこかで滅びていたでしょう。ゆらぎが生み出す生きものらしさに眼を向け、それを生かした柔らかさをもつ社会につなぎたいと思います。大地も時にゆらぐことで続いてきていることを忘れずに、生き方を考えなければなりません。

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