1-1 季刊「生命誌」

カードを楽しみ、細かな内容はWEBで読むというユニークな組み合わせの季刊誌です。

2008 60 59 58

「続く」というあたりまえのこと
TALK 対話を通して
形づくりが語る進化の物語
倉谷滋 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター
中村桂子 JT生命誌研究館 館長
RESEARCH01 研究を通して
熱帯林樹木の多様性が続くしくみ
相場慎一郎 鹿児島大学 理学部地球環境科学科

RESEARCH02 研究を通して
文楽 ─ 家元・門閥なしに継承する独自の芸
後藤静夫 京都市立芸術大学 日本伝統音楽研究センター

SCIENTIST LIBRARY 人を通して
ヒトのがんウィルスに挑む
吉田光昭 東京大学大学院客員教授/東京大学名誉教授

 生きもののはたらきやしくみは、続いていく(継続)ようにできています。現代社会は効率(利便)、役立つ(有益)などを求め続けたために生きものの継続が危うくなっているのが気になります。今年は生きものを考える際の基本、別の表現をするなら「あたりまえ」のことである「続く」を考えます。生きものが続くと聞くと遺伝や遺伝子が浮かぶでしょう。確かにDNAが生きものが続くための基本を支えていますが、大事なのはDNAが渡されることではなく、そのDNA(ゲノム)がはたらいて個体を作っていく(発生)ことなのです。倉谷滋さんとのトークでは、生きものは、ゲノムが形づくりの中でもつ拘束のもとに新しいものを産み出しながら続いていくので、共通でありながら多様という生きものらしさが生まれるのだという基本を確認しました。リサーチは熱帯林の多様性文楽という、あたりまえのように続いてきたものの陰にある続くためのしくみに目を向けました。サイエンティストライブラリーは、薬の合成という人工の世界から自然を知る分野に移り、RNAウイルス感染予防に役立つ仕事をなさった吉田光昭さん。好きと役立つを結びつけています。


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年間テーマ続く 生きているとはどういうことか考えようとするなら動詞でなければならない。そう気づいてこれまでに「愛づる」、「語る」、「観る」、「関わる」、「生る」という切り口で考えてきました。生きもの研究は本当に多様で、一つひとつを見ていると、形にも生き方にもそれぞれの特徴が見えて楽しいものです。一つの細胞である卵からそれぞれの生きものに特有の姿、形ができ上がっていく発生過程にも、カエルにはカエル、クモにはクモ、決して同じではない独自性があります。何故そんな風にやるのと聞きたくなるほどです。しかし一方で、どの生きものにも共通するところがあります。その基本が「続く」です。生きものとは続くものであると言っても過言ではありません。

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生命誌年刊号
『続く』生命誌年刊号 2008
(A5版・292ページ)
定価:1,600円(税込)
発行:JT生命誌研究館
発売:新曜社
発行日:2009.06.20
『続く』生命誌年刊号 2008  中村桂子 編集
季刊「生命誌」57号〜60号を一冊の本にまとめました。

今年は、読みやすさを考えて縦組みの編集としました。
大きさも持ち運びに便利なA5版です。

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