1-1 季刊「生命誌」

カードを楽しみ、細かな内容はWEBで読むというユニークな組み合わせの季刊誌です。

2006 Biohistory's Theme 年間テーマ「関わる」 第1回 第2回 第3回 第4回 年刊号
生きものは関わりの中にある

  今年のテーマは“関わる”。 “生きる”と同義語と言ってもよく、特別の視点ではないが、関わりが薄くなっている現代社会のことを考えてとりあげた。
  トークは“聴く”。常に全方向から入り、時間的現象である音の環境としての意味を、科学者で音楽家の大橋 力さんと語った。人類の故郷である熱帯雨林にある豊かな音の中に、聴覚でなく身体に働きかける音があり、その全体が快さをつくるというデータは納得できる。都会のマンションは音の砂漠とのこと。関わりのない場を思わせる。
  リサーチは、テナガザルとサンショウウオ。熱帯雨林でデュエットするサルがメロディーの中からお気に入りの部分を引き出すところが人間の赤ちゃんの言語習得に似ていて面白い。密度が高いと、頭が大きく共食いするサンショウウオが出るのだが、血縁 関係の中ではそれが見られない。何がそうさせるのだろう。サイエンティストライブラリーは大沢文夫先生。83歳の今も現役の雰囲気で、自分で考え、手を動かすことが必須と厳しい。その結果、あいまいさが生きものの本質であると見抜かれたのが面白い。
  エッセンスをカード、内容はこのジャーナルでという組み合わせでの発信がどこまでうまく行くか。今回表紙が変わって入りやすくなったでしょうか。ご覧下さい。

生命誌ジャーナル目次
TALK 対話を通して
[音で探る関わり] 時
音は身体全体で感じている
大橋 力 文明科学研究所 所長
中村桂子 JT生命誌研究館 館長
RESEARCH 01 研究を通して
エゾサンショウウオと表現型可塑性 生態系発生
若原正己 北海道大学大学院生命科学院
RESEARCH02 研究を通して
テナガザルの歌からことばの起源を探る 社会歴史
正高信男 京都大学霊長類研究所
SCIENTIST LIBRARY 人を通して
物理で探る生きものらしさの源 細胞人生
大沢文夫 名古屋大学名誉教授/
大阪大学名誉教授/愛知工業大学客員教授
ジャーナル記事のエッセンスが詰まった
CDサイズのカード読み物
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※年4回(5月、8月、11月、2月)刊行予定
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年間テーマ関わる 「愛づる」、「語る」、「観る」と動詞で考えてきたここ数年。今年は「関わる」です。生きていることは関わることであると言ってもよいでしょう。DNA、RNA、タンパク質などの生体分子も相互の関わり合いが重要です。「細胞社会」という言葉があるように、細胞はすべて相互に関わり合い、話し合っています。個体も同じです。人間の場合、それに加えて意識して作り出す関わりが大事です。言葉によるコミュニケーションです。しかしこの能力をもつが故に生み出した文明は、皮肉なことに時に関わりを絶ちます。どのような文明をつくり、どう生きることが人間の能力を生かすことになるのか。日常から、そして学問から考えていきます。

生命誌年刊号
『関わる』生命誌年刊号 2006
(B5版・216ページ)
定価:1,600円(税込)
発行:JT生命誌研究館
発売:新曜社
発行日:2007.05.01
『関わる』生命誌年刊号 2006  中村桂子 編集
季刊「生命誌」49号〜52号を一冊の本にまとめました。

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