生命誌ジャーナル 2005年夏号
Research ─ 研究を通して ─ :目次>リサーチのツボ・食べられない生態学
リサーチのツボ [自然界に捕食者が存在することの意味 西田隆義]
食べられない生態学
 今年度のRESEARCHでは、研究の「ツボ」を押さえるコーナーをご用意しました。このページでまず科学の歴史・分野のつながりを把握し、次のページで最新のリサーチを楽しんで下さい。
 第2回目は、食うものと食われるものの間にある「食べられない」関係のお話です。

 自然界には天敵が存在し、特定の種が増え過ぎるのを抑えています。これは経験的事実としてはよく知られていますが、実は生態学的には上手く説明できていない現象なのです。
 天敵は確かに餌種を食べますが、餌種が増えたときにより多く食べたり、減ったからといって食べるのを控えたりすることはありません。しかも“天敵”のイメージとは裏腹に、ほとんどの捕食者は、特定の獲物をそれほど効率よく捕らえることはできないのです。
 例えば身近な田んぼを見ると、昆虫群集の半分をバッタ類が占めています。しかし食物連鎖の上位にいるはずのカエルやトリは、実際にはあまりバッタを食べていないことがわかります。捕食率からは、密接な食物連鎖の存在を裏付けることはできないということになります。

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 生命誌ジャーナル 2005年秋号
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