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BRHサロン

花とわたし

高嶋悠光

おはよう、窓辺の花の水やりで始まる朝。無造作に盛る季節の花のほのかな香り。FMの調べとその中の私。花が大好き。今日一日を大切にと祈りながら…。そして、ただいま、ありがとう、おやすみ、と花に語りかけて一日を終える。

花は小さな大切な家族

蕾のはじらい
花のやさしさ
實のいつくしみ
私のあこがれ

“花”が咲く瞬間。

いつの日か枯れた字を書きたいと思い、書作を30年前に再開した。咲く花のもつイメージを、色、香、愛おしさを表現しようとして身の回りに“花”を意識して書いた初めの10年。“花”ばかりの個展を3回。

そのうちに花の囁きからイメージが広がり、湧き出るデフォルメが私の手を動かし、次々と花が開くように書かせてくれるようになった。いつの頃からか“花”という字は〔艸・化ける〕ではなく〔艸・変わる〕のが“花”だと思うようになる。蕾から散りゆく時までの花の一生には、人の一生も秘められているのだと感じている。

昨日の 今日の 明日の
生きざまを 燃ゆる心を
“花”この一字に
ぶつけてみよう

一度きりの人生を
今一この瞬間を
感謝して慈しみながら
生きていこう
書いていこう

 小さくていい“悠光の花”を咲かせたい。“花”という字しか知らんのん?!そう言われながら今日も書く。

(たかしま・ゆうこう/書家)

※所属などはすべて季刊「生命誌」掲載当時の情報です。

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