サマースクール 2006年度の報告

脳の形はどうやってできるのかラボのサマースクール
「DNA取り競争とDNA地図作りパズルをしてみよう!」

今年のサマースクールでは、メインの二つの課題に加えサブの仮題に挑戦していただいたうえに、空き時間を無理やり作って講義も聴いて頂きました。すごく充実した(強烈に忙しかった)二日間を過ごされたと思いますが、皆さんの知的好奇心はそれを遙かに越える素晴らしいものでした。

一つ目のお題は「DNAの地図作り」です。DNAを制限酵素と呼ばれる「ハサミ」で切り、元のDNAのどこが切れたのかを地図に描くのです。異なる場所で切る3種類のハサミを使い、地図を作ってもらいました。いつもなら、これだけを伝えて実験をしてもらうのですが、今年は制限酵素が取られた元の生命現象のミニレクチャーも行ないました。一つのはさみで一回だけ切ったもの、二種類のハサミで同時に切ったもの、そして三種類のはさみすべてを使って切ったものの長さを、それぞれゲル電気泳動法によって測り地図を作り上げました。

二つ目は「DNA取り競争」です。大腸菌には、染色体以外の小さな環状DNAを持つものがいます。このDNA(プラスミドと呼びます)だけを綺麗に取り出すのです。実験で言う「綺麗にする」は、決してそのものを単独で取り出すことではありません。単独で取り出せればそれに越したことはありませんが、生き物の中には様々な分子がありますので、そう簡単にはいきません。「綺麗にする」事は、むしろ、プラスミド以外の「ゴミ」を上手に除くことです。ゴミを捨てながらプラスミドは捨てないということです。今年は大腸菌のご機嫌が斜めだったのか全体的に収量は低調でしたが、さすがに貫禄勝ちと言うことで、高校の生物の先生が一番でした。

おまけの実験として、発生過程のカエルの胚やオタマジャクシなどを合成樹脂の中に埋め込んで、発生段階表の現物版を作ってもらいました。樹脂の屈折率と卵や胚の屈折率が等しいために、中が透き通って見えるようになり、学校教材にすれば素晴らしいものです。なかなかの出来映えでした。

毎年同じ課題に挑戦してもらって、みなさんそつなくこなして行かれますが、実は決して簡単なことではありません。難しい理屈がちゃんとあります。その難しいことの本質を、遊びながら理解していただきました。今年も優秀な生徒さん達で皆さんしっかり理解していただけたように思えました。

橋本主税(研究員)

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